ダリングとダリングマーク

 

 

 

 

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*以下の作業はご自身の責任において行って下さい。性能向上の保証となるものではなく、間違った加工を行った場合、その復旧には実費が必要となる場合があります

「ダリング」と言う作業をご存知でしょうか?

「ダリング」は板のエッジを意図的に削り落とし、エッジが無用に引っかからないように行う「加工」です。

具体的にはエッジの両端に近い部分を数センチ、紙やすりなどでわずかに削り落とすだけの難しい作業ではありません。しかし一般的ではないし、簡単に出来る作業ではないのです。

と言うのも、どこまでエッジを落とすかで板の乗り味がかなり変わるだけでなく、削り過ぎ等加工に失敗した場合、簡単には元に戻せないからです。元に戻す場合は専用の道具を使ってエッジを削って復活させる以外に方法は無く、その作業は経験者でないと難しい作業です。

これらの問題があって一般でもあまり耳にしませんが、しかし重要な作業です。特に買ったばかりの板はスキーボードに限らずなんでも同じですがエッジが端から端まで立っていて、そのまま使うとエッジが引っかかって乗りにくいです。(*一部加工済みで売られている商品もあります)

特に問題になるのがスキーボードで、板が短いスキーボードはエッジの影響を受けやすく、他の長板などに比べてダリングの必要性が高いものです。

 

実は、このエッジが引っかかるというのがスキーボード(ファンスキー)が廃れた理由の一つだったりします

 

試しに滑ってみたらエッジが引っかかって滑りにくい。そうなればやめてしまうのは当然です。ならば最初からダリング処理を行っておけば?と思うのですが、ダリングは手作業で手間のかかるものなのです。

しかし、GR板は全てダリングしてあります。これは上記の問題を解決するためのもので、プレチューン作業に含まれて行われています。

ダリング

GRの板はそれぞれ「ダリングマーク」が示されており(写真の▲マーク)、そこから外側に約2cmの個所から先をダリングしてあります(やすりでエッジを落としている)

これはプレチューン動画内でもご紹介していますが、この加工があるのでGR板は最初からエッジがひっかかって滑りにくい!と言う問題が少なくとも解決されています。

もし、これでもエッジが引っかかるようでしたら、このダリングマークを基準に少しずつ紙やすりでエッジを落としてあげるとより好みの感覚になります。ダリングマークの位置より外側であれば比較的安全に調整が可能ですし、見た目の目印にもなるので失敗が減らせます。

なお、ダリングでエッジを落とす場合、紙やすりでわずかにエッジを丸める程度で十分効果があります。(*削り過ぎて失敗した場合は簡単には戻せないのでその点は十分注意して、自身の責任において行って下さい)金属製のやすり(ファイル)では経験が無い限り失敗しやすく、おすすめしません。また、雪質、状況でエッジのかかり方は変わります。必ず「簡単には戻せない」ことを確認してから行って下さい。

どのような雪質、状況でもエッジが引っかかる感覚があるのならばダリング加工は必要になります。そのときはエッジを丸める大きさを少しずつ調整したり、ダリングの範囲を少しずつ調整すると失敗は少なくなります。

 

この「ダリング」ついてもっと詳しい説明が必要な方はさらに下へ読み進めて下さい。(専門的なのでわかりにくい点が多々あります)

という訳でここから先はダリングの解説、ハードモードです。

ダリングの目的はつまり「トーションのコントロール」になります。

ターン中トーション板の各部の名称

ターン中にトーションを支えるのはだいたいダリングマークの個所、板をそのまま置いた時に雪と触れる「接雪点」が基準となります。この点がしっかりエッジが効いていればターンした時にエッジがたわみを支え、横滑りする事無くターンすることが出来ます。

この「トーション」「横滑り」をコントロールするのがダリングの最大の意図です。エッジが引っかかると感じるのはつまりこの接雪点のエッジがずれない事が大きく影響していて、トーションが強ければ強いほどエッジはしっかり効きますが、しばしば効きすぎることにもなります。

これがトーションが弱い板であれば影響は小さくなります。トーションがねじれて力が逃げることでエッジングが弱まるので、結果ダリングが必要なくなる場合もあります。しかしトーションが効きやすい板はこの影響を大きく受けます。短いスキーボードが他に比べて影響を受けやすいのはこれが原因で、結果「スキボ乗りにくい」の悪いイメージの一因になっています。

さらに、サイドカーブの強いスキーボードでは他に比べてエッジにより板がキョロキョロとブレやすい特徴があります。現在のスキー板のサイドカーブが18~28mが主流に対して、スキーボードは6~10mとかなりきついサイドカーブを持っています。したがってわずかでも傾けばエッジが効いて板が回り始め、すれが不快感に繋がります。

これを解決するには「エッジの引っ掛かりをコントロールする」ことが重要で、結果ダリングが重要になります。ターンした場合に一番初めに影響を及ぼす接雪点上のエッジを丸めてエッジングを抑える事でずらしやすくし、サイドカーブの影響も低減させられます。大きくターンする場合はエッジを丸めたと言っても食いつくのでトーションを支える事が出来ます。

しかし「失敗」してしまうとどうなるか。ダリングは意図的に滑走に使えるエッジの長さを変えるので、やればやるほど短くなります。するとエッジが必要な「ターン」や「制動」に大きく影響してしまい、曲がれない、止まれない不安定な板になってしまいます。しかもエッジを削った場合、直すためにはサイドエッジを削って治すしか方法が無く、そのためには専用の道具と専門の技術、そして実費が必要になります。

なお、ダリングのように有効エッジ長を減らさない方法でエッジの利きをコントロールする方法もあります。それは「ビベル」と言う加工ですが、これはサイドエッジを削るよりもはるかに難しい作業なので一般的ではありません。

そこでGR板では「ダリングマーク」を用意しました。ダリングマークは接雪点を基準にGRで独自に適切な箇所を検討して示してあります。出荷時はこのダリングマークからそれぞれ約2cm、指一本分外側までをしっかりダリングしてあります。一般であればこの調整で不快感を持たず、板の性能も発揮される設定になっています。

ですが、エッジの効き方は雪質や環境によって大きく変わります。良く行くゲレンデが雪の豊富なゲレンデであればあまり感じませんが、良くしまった雪ではエッジが効きやすく感じられます。そういったここのシチュエーションに対応する場合、このダリングマークを目安に加工を行うと調整しやすくなります。ダリングではどうしても「どこまで削ったら良いのか?」が分かりませんが、あらかじめ示しておくことで作業を簡単にし、失敗を少なくしています。

このような意図がありGR板ではダリングマークを用意し、プレチューンでダリングを行っています。すべての方において快適なものにはなりませんが、最低限不快感は持たずに滑ることが出来ると考えて行っています。

そしてくれぐれもご自身で調整する場合は「失敗したら簡単に戻せない」という事を念頭に置いて加工して下さい。少しでも板がお好みの感覚になれば幸いです。

 

 

 

痛板GJ5に参加させて頂きます

来る2015年1月10日~12日に、白馬村のHAKUBA47スキー場で行われます痛板ゲレンデジャック5に、GR ski lifeがブランドとしてブース出展します!

痛板のHPは< こちら >

 

痛板って何?と言うかたもおられるでしょうが、痛板は自分のスキーやボード、スキボに自分の好きなキャラクターなどのデザインを張り付けて楽しむ新しいスキーの楽しみ方です。これまでのスキーは「滑って楽しむもの!」でしたが、痛板は「板を好みにデザインして楽しむ!」と言う、全く新しい楽しみ方のスタイルです。

スキーのデザインは近年すごく進化して、カッコいデザインやかわいいデザインなどが増えてきました。かく言うGRもデザインにかなりこだわっていまして、FFなど結構好評を頂いておりますが、その板をさらに好みにしてしまう!と言うのが痛板の凄い所です。自分でデザインし、型紙を切ってきれいに貼り付けてと、ものすごく手間と労力がかかる作業の末に生み出される痛板は、まさに唯一無二の自分の板になる訳です。

実は昨年、とある機会があって半日だけですが痛板のイベントにお邪魔しました。元々痛板というものも文化も知っていましたが、参加は初めてでした。

そこで経験した圧倒的な盛り上がりとパワー、楽しさはすごいものでした!これまでスキー場は「滑る」ためのもので、道具も「滑る」ためのものでしたが、彼らにとってスキー場は「表現する場所」であって、道具は「表現」でした。

「表現」という意味ではスキーボードも近いものがあります。枠にとらわれずに自由に楽しめるスキーボードはまさに自分の楽しみ方の表現ですが、さらにそこに加わった痛板と言うパワーは素直にリスペクトする力がありました。

なにより「楽しそう!」長年スキーをやってきて、こういう新たな楽しみ方があるというのを肌で実感し、GRというブランドではぜひ痛板を支援したい、そう思いました。コンセプトとしてFFにその意味を盛り込み、型紙を提供するくらいしか今は出来ていませんが、何か一つでもこの新しい楽しみ方のお手伝いが出来ればといろいろやってみたいと思っています。

 

と、そんな背景がありましてGRは痛板を応援することになり、ご縁があってGJ5にブース出展をさせて頂く事になりました。3日間ご厄介になりますが、展示、スキーボードの紹介、試乗はもちろん、痛板の運営さんと組んでみんなが参加できるイベントも企画しています。その企画がどのようなものか?は、また追って報告させて頂きますが、GJ5がさらに盛り上がればと思っています。

 

ちなみにですが、痛板をやる方(痛板勢)の多くはコスプレも楽しんでいらっしゃいます。そんな方々にもスキーボードはおすすめだと思います。取り回しが短くて楽なのでコスプレを邪魔しない利点もあり、滑りでもたくさんアピールできます。両手が空くのも利点だと思いますし、ボードのように装着の手間もお尻を濡らしたりすることもないのもメリットだと思います。昨年の私が参加したイベントではGRのメンバーが手を繋いで滑るという技で盛り上がっていましたが、近い距離感で楽しめるのもまたスキーボードの魅力だと思います。参加される方はスキーブーツさえ手配して頂ければ試乗は3日間いつでもできますので、一度試してみてはいかがですか?

オンラインショップを立ち上げました

siteTOP

 

11月1日より、GR ski lifeのオンラインショップが立ち上がりました!GRのスキーボードやグッズが買えるのは今はここだけです!

ここに至るまでに非常にたくさんの皆さんのお力もあって販売が始められるようになりました。本当に感謝しています。

 

GR ski lifeは、もともとGR(GrandtrickRaver’s)と言うスキーボードコミュニティから誕生しました。GRは2005年から活動しているコミュニティで、とにかくみんなでスキーボードを楽しもう!と、日本各地でイベントを行い活動してきました。

その運営の中で減りゆくスキーボーダーと、売り場から消えつつあるスキーボードを間近に見ていたメンバーたちの声「このままじゃスキーボードがなくなる」と言う声が、このブランドを立ち上げるきっかけになりました。スキーボードがそこにあれば長く続けていけるし、新しい愛好者も増えていくはず。GRがスキーボードを販売し、イベントやコミュニティー活動を行っていくことで、一人でも多くの方に一日でも長くスキーボードを楽しんで頂きたい。その一念が「すべては、すべてのスキーボーダーの為に」のスローガンの元にGR ski lifeを生み出しました。

スキーブランドとしては新参者で、しかも生産量の少なさからなかなか認知度も上がらない当ブランドですが、それでも少しでもスキーボーダーの支えになればと、頑張って運営していくつもりです。

 

さて、販売商品ですが、少ないですがすべてこだわりのものです。スキーボードは全て一台一台丁寧に手仕事で仕上げたものを、デザインなどもこだわり所有して頂く皆さんに満足してもらえるように用意致しました。乗っていただければきっと満足してもらえるように、常にスローガンを胸に頑張ってまいりますので、立ち上がったオンラインショップと共に末永くご愛顧頂ければと願います。