GRのブログ始めました

外部サイトの「note」にてGRブログを始めました。

https://note.com/grski

こちらのブログは公式とはちょっと異なる、GRの中の人である菊池の主観も含めたブログになります。

スキーボードはGR以外の事も気になることを書いたり解説してみたりしますので、よかったらご覧ください!

2019年12月1日 | カテゴリー : blog | 投稿者 : YasutakaKikuchi

GR代表、菊池のスキー用具

この機会に菊池のスキー用具を解説してみたいと思います。皆さんのご購入の助けになれば幸いです。

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基本的な装備です。ハイシーズンは緑色の格好で、暖かくなると赤い格好になります。

<ヘルメット>

bern Baker  (http://www.ytsamuse.com/brand/bern/)

シンプルで軽くかぶりやすいバーンのこのヘルメットはもう何年も愛用しています。正直ボロボロなんですが頭にぴったりと合うジャパンフィットと、偶然手に入れられた限定デザインが手放せなくて毎年私の頭を守ってくれます。ベイカーはバーンのヘルメットの中でもヘルメットに穴が無いタイプなので、私のホームゲレンデとなる八ヶ岳エリアの強烈な寒さにも十分耐えられます。ヘルメットはその保護機能だけでなくキャップやビーニーよりも暖かく、最近ではおしゃれなデザインのヘルメットも多くあります。

bern Macon

暖かい日用+自転車用がこのメコンです。ベイカーはさすがに暖かい日は暑いので穴の開いているこちらを使います。デザインもこちらはオーソドックスな形なのでいろいろと合わせられて良いです。春スキーだと穴のないヘルメットはかなりきついので春も滑る方はバーンであればメコンやワットの方がお勧めです。ですが穴の開いている部分にシャッターがついていないので雪や雨の日は対策しないと頭が濡れてしまいます、ご注意ください。

<ゴーグル>

VonZipper FishBowl (http://jp.vonzipper.com/)

ゴーグルとしてはおそらく最大級の視界を確保できるゴーグルです。元々個人的にヴォンジッパーが好みでゴーグルはずっとこのブランドを愛用していますが、このフィッシュボウルは本当に視界が広くて素晴らしいゴーグルです。スキーボードではよく後ろ向き(フェイキー)で滑りますがゴーグルのふちが邪魔になる事は無いのでとても快適です。曇りにくいのもすごく良い特徴ですね。ヘルメットとの相性も悪くないのでお気に入りです。ゴーグルはサングラスに比べて保護力が強く、使ってみると快適なものも多いです。値段はしますが偏光レンズのタイプを選ぶととても見やすく快適なので、デザインもさることながらレンズにもこだわると良いと思います

Rossignol RG1 (http://www.grkk.co.jp/rossignol1213/)

これは来シーズンから使う予定で買った完全クリアレンズのゴーグル。完全クリアレンズって案外見当たらないのですがやっと手に入れました。大雪やナイターではフィッシュボールだとさすがに見えにくいので買いました。ゴーグルはいくつかレンズの種類の異なるものを持っておくとシチュエーションに合わせて変えられるので余裕があったらおすすめです。もしくはレンズ交換が出来て2枚セットでうっているもの(ボーナスレンズ付きなど書いてあるもの)を選べばだいたい晴れの日用と曇りの日用で2枚レンズが入っているので、それを好感して使うのも良いと思います。

<ニットキャップ/ビーニー/キャップ>

kissmark ニットキャップ

上のベイカーがへたってしまったのでヘルメットの中にかぶっています。元々ポンポンが付いたデザインでしたがそれをとってニットキャップにしています。ヘルメットを脱いでも使えるので髪型を気にすることが無いのはメリットですが、本来であればヘルメットは単体で使った方が保護力が安定するので自己責任でお願いします。

ノーブランド キャップ

メコン用に買ったのが平らなつばのキャップです。これはファッション的に使っています。こちらも上と同じく自己責任で組み合わせています。

<ウエア>

686 (http://sixeightsix.com/)

ハイシーズン用にはこちらの686のウエアを使っています。脇の下にベンチレーションがついているので暑い日でも快適に過ごせます。シンプルなシェイプなので気に入っています。ウエアはそのデザインもさることながら、機能性、ポケットの使い勝手も重視するポイントです。特に空気を逃がすベンチレーションと撥水性は大事な部分なので買うときはいつも意識して買っています。

コロンビア(http://www.columbiasports.co.jp/)

暑いときや春用にはこちらのジャケットを使います。中綿が無いので暑くても快適に過ごせますし、風防性や耐寒性もそれなりにあるので十分ゲレンデでも使えます。春などではパーカーファッションな方も多くいますが、たまたま安く手に入ったので使っています。普段使いにも使えるのが良い所です。

ナイキ 6.0 (http://www.nike.com/jp/ja_jp/)

たまたま686の緑に合わせる黄色のパンツとして生地の質感も似ていたので選びました。もともとよくあるダボダボっとしたデザインよりスリムなデザインが好みなので選びましたが、思ったよりもゲレンデで目立つので良かったです。パンツは春でもそのまま使いますが、このパンツもしっかり股の部分にベンチレーションが用意されており、車のカギを無くさないカラビナ付のコードがポケットの中に用意されていたので機能性はばっちりです。もしプロテクターなどを使う方でしたらこういったスリムデザインのパンツでは履けない場合もあります。買う際には確かめて買う事をお勧めします。

<グローブ>

Ignio (http://www.ignio.jp/)

私は滑走スタイルとしてよく滑走しながら雪面を手で触れ続ける「ハンドスライド」と言う技を行います。なのでグローブはすぐにボロボロになってしまうのでグローブは安くて十分な機能のものを選んで使っています。グローブの防寒性は快適に滑るためには大事な部分ですが、私の使っているグローブは値段の割にしっかりと保温してくれるので重宝しています。ちなみに春になると暑いのでホームセンターで売っている防寒手袋を使います。

<ブーツ>

Nordica Ace of Spade (http://www.tecnica-group.co.jp/nordica/)

十分な硬さと足首の使いやすさ、ホールド感で愛用していたブーツです。このブーツはへたりもあって今シーズン限りでオフトレーニング用にし、この冬新たにブーツを買いますがそれもノルディカの3バックルのブーツになる予定です。ノルディカのフリースキー用のブーツはかなりスキーボード向きのブーツだと思います。特に3バックルのモデルは普通のスキーにも使えるので迷ったら是非一度お試しいただきたいブランドです。

 

以上が私のスキー用具の解説です。それぞれにスタイルや好み、個性があるのでこの限りではありませんが、このようなスタイルで私はスキーボードを楽しんでいます。

何かの参考になれば幸いです!

 

GR板とビンディングのセット販売を希望されるお客様へ


GR板とビンディングのセット販売、もしくはビンディングの取り付けを希望されるお客様へ


まずは<こちら>をお読みください。(ビンディング取付に関するS-B-Bシステムについて)

この度はGR ski lifeのスキーボードのご購入を検討頂きまして、誠に有難うございます。

GR ski lifeの板(以下GR板)は、多様なビンディングの取り付けが可能な板となっております。そこで当ブランドでもビンディングの販売やセット販売を行いますが、取り付けに関していくつかの注意事項がございますので以下のご確認をお願い致します。

 


 

・GR板に取り付けるビンディングが全てセット販売の注文後に取り寄せとなります。取り寄せ、取付には通常1~2週間のお時間が必要になります。お支払い後すぐにお届けすることは出来ませんのでご了承ください。

・注文受付後、取付の為にワークショップチケットをお送り致します。到着しましたら内容をよく確認し、ショップ控えを剥がさずに記入事項をもれなくご記入下さい。(記入不備があると取り付けが出来ない場合があります)

・取り付けにはお使いのスキーブーツが必要になります。ワークショップチケットと同梱してお知らせしている宛先へスキーブーツをお送りください。(板の取付完了までスキーブーツは調整の為預からせて頂きます。1~2週間スキーブーツを預からせて頂きますのでご了承ください)

・もしスキーブーツを預ける事が困難な場合、取り付けた板のお届け後に、目視での最終確認を最寄りのS-B-B認定者に確認をして頂きます。その確認としてワークショップチケットに同梱した確認書にご記入下さい。(スキーブーツをお預け頂ける場合は必要ありません)

・ワークショップチケットはスキーブーツと共に送って頂くか、スキーブーツが送れない場合はワークショップチケットと確認書を同封して当方宛先までお送り下さい。(送料はご負担下さい)

・スキーブーツ(もしくは確認書)、ワークショップチケットが到着後、ビンディング、板の用意が済み次第購入時のご連絡先に確認のご連絡を致します。再度確認後、取り付け作業を開始します。(この際に連絡先となるメールアドレスは必ずパソコンからのメールが送受信できるアドレスをご利用下さい)

・取付後完了の再びご連絡を致します。その後お客様の元にお預かりのブーツと各書類の控え、商品をお届け致します。(原則木曜日出荷です。送料は当方負担でお送り致します)


以上、数々ご面倒もありますが、安全で確実な取付と、未然の事故防止の為にご協力ください。なお、これらの要件が認められない場合は当方では取り付けは出来ません。(お買い求め自体は可能ですが、自己責任となります。ご容赦下さい)

何卒、宜しくお願い致します。

 

2014年10月30日 | カテゴリー : blog | 投稿者 : YasutakaKikuchi

GR板のプレチューンナップ作業の紹介

GR板のプレチューン紹介動画です。GR板は全てこのような作業の後に出荷されております。

(注)

これらの作業は滑走性などを向上させる目的で行われておりますが、すべてのユーザーに対してその効果を保障するものではありません

また、その効果は一時的なものであり恒久的に維持されるものではありません、これらの点をご了承ください。

Lovin’NEW(新スキーボード紹介)

LovinNew

「マルチユースコンセプト」による新しいスキーボード!

 

Lovin’NEW(LV)は、GRが新たに送り出す新しいサイズのスキーボードです。

<スペック>

90cm 120-100-117 R8m

Extrudedベース 4×4インサート アルペンビンディング取り付け可(*1)

TowStepTip(TST)(*2) CAP構造 PUコア ツインチップ形状 フラットテール

 

Lovin’NEWはマルチユースコンセプト(*3)で生まれた女性や小柄な人向けの 新しいスキーボードです。

現在LVのような90cmの板はかなり手に入りにくく、幅広のものは特に手に入りません。GRにもそんな意見が寄せられる中で作ったのがこのLVです。

LVはマルチユースをコンセプトに持ちながら短さを追求した一台です。大事にしたのは汎用性と安定性。長さを切り詰める代わりに用意したのは軽快性です。短いという事がデメリットにならないように、且つ楽しめる板を。そんな考えがこの板を作りました。

スキーボードは人数比としても思いのほか女性がユーザーに多いのですが、反面女性をターゲットとしたスキーボードはあまり見かけません。そんな女性のためのマルチユースな板を…そう考えてこの板は作られました。最近では女性でもパークを楽しむ方も見られ、そういったユーザーが楽しめる板。そして小柄な方でも積極的に楽しめる板を。そんな考えがLVには込められています。

さらにLVにしかない特徴的なフラットテール構造。これはテール後端をあえてまっすぐ平らにすることで全体の長さを抑えつつ、立てかけたときに倒れにくいという構造です。

細かいところまで意識されたLovin’NEWは、そんな新しいスキーボードです。

 

<2016-17シーズンのLVの台数について>

2016-17シーズンにおきまして、生産上の都合からLVは 20台 のみのご用意になっております。用意数が少なくて恐縮ですが、完売の際にはご容赦下さい。

 


*1 一部モデルにおいてブレーキ幅などの問題から取り付けが出来ないモデルもございます。またLVは構造上長さが短いためブーツのソールサイズによっては取り付けが出来ないものもございます。

*2 チップのそり上がりに独自の形状を採用し、走破性を重視した新しい形状です。

*3 マルチユースコンセプトについては => こちら をご参照下さい。

NoName(新スキーボード紹介)

NoName

ロングサイズコンセプトによる新しい一台!

NoName(NN)はGRがGRが新たに送り出す新しいサイズのスキーボードです。

<スペック>

125cm 113-79-105 R10.3m

Extrudedベース チロリアLRX9.0ビンディング取り付け済み(*1)

新トップシート(*2) サンドイッチ構造 ウッドコア ツインチップ形状

 

NoNameはロングサイズコンセプト(*3)で生まれた今までにない

 

<2016-17シーズンのLVの台数について>

2016-17シーズンにおきまして、生産上の都合からLVは 20台 のみのご用意になっております。用意数が少なくて恐縮ですが、完売の際にはご容赦下さい。

 


*1 ビンディング無し(板のみ)のモデルの用意はありませんが、取り外して別のアルペンビンディングを取り付けることは可能です。

*2 構造上表面に模様状があります。またこのトップシートは高い耐久性がありますが、シールなどが貼りにくい仕様です。

*3 ロングサイズコンセプトについては => こちら をご参照下さい。

 

OverSize(新スキーボード紹介)

OverSize

「マルチユースコンセプト」による新しいスキーボード!

 

OverSize(OS)は、GRが新たに送り出す新しいサイズのスキーボードです。

<スペック>

105cm 125-105-122 R9.3m

Extrudedベース 4×4インサート アルペンビンディング取り付け可(*1)

TowStepTip(TST)(*2) CAP構造 PUコア ツインチップ形状

 

OSは何といっても幅広いシチュエーションに対応できる汎用性が魅力の一台です。105cmの長さが生み出す滑走性能は従来のスキーボードに引けを取らず、幅広な安定感は様々な雪質を容易にこなします。

スキーボードは99cmスタンダードでした。ですが、この長さには今の多様化するゲレンデでの利用にはもはや限界も見えていました。スキーボードらしい動きを追求しつつ、より扱いやすい長さ、幅。それらをまとめ上げたのがこのOSです。

マルチユースコンセプト(*3)の採用により、このスキーボードは1台でなんでも楽しみたい!そんなユーザーにうってつけの一台となっております。ずらすコントロールが容易になったことで、様々なシーンでパフォーマンスが発揮されます。もちろんスキーボードですので従来のトリッキーな滑りも楽しめますし、幅広になったことでゲレンデパウダーも楽しむことが出来ます。

また、スキーボードが苦手としていた急激なコンディション変化にもTSTの採用で柔軟に対応します。ノーズが雪に捕らわれにくくなったことでこのOSは予想以上の走破性を発揮します。そして幅広タイプのスキーボードではエッジがコントロールしにくいという問題もありましたが、OSでは本格的な滑りにも答えられる扱いやすいエッジグリップになっています。

さらにOSでは、セット位置をずらすことでよりユーザーの滑りに適した板に変化します。これはブーツセンターとスキーのセンター位置の事ですが、このセット位置は標準状態では主に滑走に適した位置になっておりますが、この位置から1~2センチ前にセット位置をずらすことで、グラトリやジブなどでのパフォーマンスを重視した性能へ変化させることが出来ます。

 

様々なシチュエーションや滑り、使い方。それらをすべてまとめ上げた「マルチユース」な一台。それがOverSizeなのです。

 

<2016-17シーズンのOSの台数について>

2016-17シーズンにおきまして、生産上の都合からOSは 20台 のみのご用意になっております。用意数が少なくて恐縮ですが、完売の際にはご容赦下さい。

 


*1 一部モデルにおいてブレーキ幅などの問題から取り付けが出来ないモデルもございます。

*2 チップのそり上がりに独自の形状を採用し、走破性を重視した新しい形状です。

*3 マルチユースコンセプトについては => こちら をご参照下さい。

【コラム】スキーボードと基礎スキー

そろそろスキーシーズン到来ですね!記事を書いている時点ではまさに明日、ゲレンデがオープンと言うことでいよいよ期待が高まります。

 

そんな今シーズン。もし目標を考えているなら「基礎スキー」を見直してみてはいかがですか?

 

スキーボードに限らずフリー系と呼ばれるスキー、スノーボードでは、比較的基礎スキーなどの部分はあまり重要視されていません。皆がそれぞれの楽しむスタイルで、自由にゲレンデを滑走できれば「基礎」と言う部分はあまり気にしなくても良いようにも感じます。

 

そもそも「基礎スキー」とはなんなのでしょう。

主に基礎スキーと言うと、SAJなどの大きな団体が主導するスキー理論とその技術と言うイメージです。これは多くの方が経験あると思いますが例えばスキー教室でインストラクターに習ったり、検定を受けたりと言う時に触れている部分になります。

でも、ちょっとツマラナイですよね。同じ動きを繰り返し練習し、自由に滑れないという部分が特に。

 

「基礎の得るレベルによって滑りは変わる」

基礎スキーはおおまかに3つの段階に分かれます。

<第一段階>雪の上で安全に滑れるようになる

<第二段階>コントロールして滑走を楽しめる

<第三段階>よりレベルの高い滑りを追求する

一般的にスキー教室やスキーレッスンではまず第一段階を重視されます。このため練習としては止まる、滑る、曲がるという基本的な部分を中心に練習します。この段階は習わずとも「慣れ」で習得可能なところもありますが、自己流の方はだいたい「曲がって止まれればOK!」と捉えていると思います。

なので、滑った事のない斜面に向かった時「とりあえず行ってみよう!」って斜面に飛び込み、無事に滑れれば「滑れた!」。転んだり怪我をしてしまえば「滑れなかった…」となります。怖い思いもするでしょう。

基礎を習っている場合、だいたいどれくらいの斜面なら自分が滑れるかを自分のレベルに合わせてインストラクターなどが判断してくれるので、相対的に判断することが出来るようになります。加えてそのレベルでの止まる、曲がるなどの動きを練習しているので、怪我に繋がることは自己流よりも少なくなります。インストラクターから離れ一人で滑る場合、新たな斜面でも滑れるかどうかの基準が自分の中にあるので警戒もできますし、比較的安全に楽しむことができます。

この違いは次の段階<第二段階>で大きく差が出ます。

どのように経験すれば新たな斜面で滑る事が出来るか?基礎を得ていればそこからのステップはわりと容易です。緩斜面で習ったことを一から確認しながら滑れば徐々に中斜面以上の斜面も克服できます。ですが自己流ではそれが大きな壁になります。自分の技術だけではとても克服不可能な状況に陥りやすいのです。さらにそこまでに自己流で得てしまった不完全な技術は癖になり、その癖も徐々に障害になります。

この段階でも基礎をならうことで克服できますが、この「癖」が非常に厄介になりやすく、最初から基礎を得ているよりも克服までの時間もかかります。そしてだいたいの人がこの段階で大きくつまづき、「ツマラナイ」と思ってしまうこともあります。

第一段階を得てからの第二段階はほぼ同じことの繰り返しですが、この段階だからこそ得る「プラスアルファ」も習得できます。たとえば「ブレーキしながら曲がる技術」などです。曲がるだけではどんどん加速しますが、この技術があるだけで斜面への恐怖心も楽しめる感覚も大きく違ってきます。例として挙げたこの技術は<第一段階>があってこそのものですが、そうして得た<第二段階>から先は自分のスタイルや滑走技術に合わせてさらに上積みを行う<第三段階>、つまり上級者への道になります。

偶然にも自己流のまま第二段階を得るかたもまれに居ます。しかし<第三段階>は自己流では到底到達不可能な領域です。これすらも到達できる方がいたとすればそれは俗にいう「才能のある」方なのでしょう。

スキー検定などで「2級の壁」「1級の壁」と言われる部分は、こうした段階をきちんと踏んでいる方ならばいずれ到達できますが、自己流では2級もかなり厳しいでしょう。

このように、スキーには上達の指標となる段階があり、それを得る過程が「基礎」と言う部分なのです。

 

「スキーボードでスキーを楽しむには」

スキーボードは比較的習得が楽で、コントロールしやすいのが魅力です。なので第一段階は自己流でも簡単にこなしてしまう方も多いです。そういった方がトリッキーな「グラウンドトリック」やスリリングな「パーク」で楽しむ場合、やはり基礎の習得の有無がその後に大きく影響します。

ですが、そういった楽しみ方って、憧れますよね?斜面を自由に滑ったり、雪の壁で軽快に楽しんだり、トリックを駆使して滑ったりパークでエアやジブを楽しんだり。

このレベルで楽しんでる方の多くは少なからず基礎を知っています。そしてそれがあるからさらに上の段階も楽しむことが出来ます。しかし基礎がないとたとえば片足で滑る「ソロ」などは、どんなに頑張っても楽しんで滑る事は難しいでしょう。

普通に滑るだけではなくこういった滑りこそ、実は基礎が重要だったりします。どうすれば上達するのか過程を知っているだけでも全然違います。つまり

「安定してすべる技術があってこそ、不安定な状況を楽しめる」

と言う事です。これは基礎を得ている方なら納得ですが、そうでない方は不可解なものになりがちです。ですが、安定して滑れるからエアなどで飛ぶのも着地も不安定になってもリカバーし、次へと段階を進められます。が、安定した技術なしにエアで飛んでも踏切もうまくできず、着地もしっかりできなければそこで技術は立ち止まるだけですし、最悪怪我に繋がり楽しめなくなります。グラトリにしても無理やりやれば多くの技は出来ますが、それって楽しめてますか?怖い思いだけしかしてませんか?

スキーボードに限らず楽しむためには、まずは怪我をしない、怖い思いをしない事だと考えます。そのためには「基礎の習得」はあって損はないものだと思いませんか?

 

「基礎を得るために」

とはいえ貴重な休みの貴重なゲレンデの一日を基礎に費やすのはもったいないし、つまらないと思います。そうだとすれば「たった一日でも」きちんと誰かに習ってみるのはどうでしょうか?それだけでもずいぶん変わると思います。半日でも良いでしょう。基礎を得るきっかけを持つだけで、様々な楽しめない要因を解決する可能性が生まれるメリットは大きいものです。

これは技術だけでなく、たとえばゲレンデの楽しみ方、寒い時の対策の仕方など、自己流ではなかなか得難い情報も得られます。何か一つ土台ができるだけで、ゲレンデも滑りも大きく楽しみ方が変わります。

これは「スキースクールに入った方が良い」と言っている訳ではありません。自分が憧れる仲間や友人に教えてもらうだけでも十分意味があります。スキースクールの基礎は長板のものなのでスキーボードには不向きな部分もありますが、それでも習ってみると「あ、なるほどな」と思うことがあればそれだけでも良い土台が生まれます。滑りは多種多様にありますが、板に乗って滑るという基本はすべて同じ。その中で楽しく滑っている仲間や上級者からそのレベルまで到達した技術や基本のおすそ分けを得られれば、より楽しむことが生まれます。そしてもし自分が教えを乞われた場合、自分がえた経験をそのまま伝えれば、基礎や基本、技術と言った部分が共有されて、よりたくさんの方と滑りを楽しむことが出来ると思います。

もちろんできれば確固たる基礎技術を持った、できれば多くの方に認められた方の指導を受けられれば最高です。ただそういう方の多くが世間でいう「インストラクター」だったり「指導者」であり、そういう方々が伝えているものが「基礎」だという事です。

そう考えるとほんの少し「基礎スキー」の考えが変わってきませんか?

特に技術理論が周知されていないスキーボードではその基礎はまだ広く共有されていません。ですが、<第一段階>の部分は他のスキーなどとそう差異があるものではありませんし、<第一段階>が得ているかどうかはこれまで書いた通りその後の楽しみ方に大きく影響します。その入り口の土台を見直してみる事こそ、今以上にスキーボードを楽しむきっかけに繋がると私は確信しています。

 

ちなみにGRでは機会は少ないですがスキーボードのレッスン会を行っております。伝えられることは少ないですが、少しでもスキーボードが楽しめるように私が得た「基礎」のおすそ分けができればと活動しています。もしご都合が合えばぜひ一度ご参加頂けたらと思います。