リムーバーをお勧めしにくい理由【補足】

スキーボードクリーニング(リムーバー編)にて触れていますが、リムーバーは安易に使うとデメリットがあり、お勧めしにくいものです。

元々リムーバーは溶剤によって板のワックスを溶かして除去するためのものです(Remove=>取り除く(和訳))。クリーニングではこの効果を利用し、ゴミや汚れをワックスと一緒に溶かして落としてしまうのがその効果です。

なお、溶かすと言ってもこれは滑走面自体には影響がなく、あくまでも溶かすのはワックスだけなのでその点は問題ありません。

滑走面に用いられる素材はポリエチレンなどの素材ですが、このポリエチレンが滑走面の素材として採用されているのにはいろいろ理由があります。それが耐寒性だったり耐水性だったりするのですが、プラスティック素材の一種であるために「劣化」と言う問題がどうしてもあります。

この劣化を緩和させる為にも必要なのがワックスなのですが、リムーバーで除去してしまうと保護するものが無く劣化しやすくなります。せっかくきれいにしたのに何もしなかったら滑走面が白っぽくなっていた・・・と言うのは、つまり簡単に言うと劣化なのです。

劣化してしまった滑走面は、もとの状態に比べて滑走性が悪くなります。こうなるとさらにゲレンデの微細なゴミをさらに拾い上げてより悪化し、それをまたリムーバーできれいにしても状況はあまり良くなりません。また、劣化してしまった滑走面はワックスが入りにくくなるため、こうなると滑走面の表面をごく薄く削り取って新しい面を出してあげなければならなくなります(サンディングと言います)。

サンディングは様々に道具も必要なので簡単な作業ではありません。おそらく経験者に頼むか、プロにお願いする他ないでしょう。

もし、リムーバーでのクリーニングの後にワックスを入れる事さえ怠らなければ最低限そのようにはなりません。ですがこの点を知らずにリムーバーを手に取ってしまったら・・・多くの方が陥る失敗になります。

 

では、ワックスさえ使えばリムーバーは問題なく使えるか?と言うと、そうでもありません。

 

もう一つのおすすめしにくい理由が、ホットワックスなどで滑走面を作っている場合にはリムーバーを多用するとせっかくの滑走面が壊れてしまう事があるからです。

ホットワックスはアイロンを使って数種類の温度の違うワックスを塗りこむ作業で、一般の方にはややハードルの高いメンテナンスです。ホットワックスで施工されている滑走面にリムーバーを使ってもワックスは溶けださないと考える方もいらっしゃいますが、私はそうは思いません。せっかく手間をかけて作った滑走面が一度のリムーバーで壊れてしまうのは大変もったいない事です。

なお、この「壊れた」という表現は物理的なものではなく、せっかく仕上げた状態の良い滑走面が状態が悪くなってしまうことの揶揄です。

それにホットワックスが出来るのであればそうリムーバーが必要になるシチュエーションは少なくなります。よっぽど汚れたか油まみれになったか、ワックスを丸ごと入れ替える必要が出てきたかくらいしか使わないでしょうし、一般作業としてのクリーニングはホットワックスクリーニングになるからです。

しかしホットワックスが出来ないとリムーバーは必要になるでしょう。そういう場合は出来るだけ動画で紹介したように作業できれば失敗も少なく、リムーバーの影響で滑走性も悪くなることは無いでしょう。

最後に巷によくある「リムーバー入りワックス」について。

これはクリーニングとワックスを同時に行ってくれる非常に優れたアイテムです。これであれば上記の問題は出てこないでしょう。しかし注意点としては、このタイプのワックスは塗布面が汚れやすいという点です。リムーバー入りワックスを使う際には簡単でも良いので滑走面をぬぐってから使うと良いでしょう。

モニター販売予約

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※先にこちらをご覧ください⇒モニター販売について

お待たせいたしました。いよいよGRの最新型を試せるモニター販売予約の募集を行います。

このモニター販売では、本数限定で1年早く、お得に皆さんに試して頂こうという企画です。今回の3機種は再来年以降の販売モデルですが、今季それぞれ30台づつ、計90台のみ先行的にお渡し致します。

モニター販売ですので、後日モニターアンケートに答えて頂ければ「GR特製Tシャツ」を進呈させて頂きます。もし2本以上を同じ方が購入した場合でも、アンケートにお答えいただければ購入枚数分のTシャツを進呈致します。

なお、今回の予約では「前払い特典」がございます。前払い頂くと税抜価格で販売させて頂くだけでなく、ビンディングもよりお得に手に入るチャンスとなっています(ビンディングについては予約後、秋頃にご案内致します(開放式ビンディングのみ、種類については<こちら>。痛板にする場合の後付けサービスも行いますので、ご希望の方はご予約時に別途お書き添え下さい)

※半額、もしくは全額を先にお支払頂くと自動的に上記の特典は適応されます。

予約に関しましては第二次として8/20日0時から9/30日23時55分まで行います。第二次ではそれぞれ数量限定となります

OverSize 10台

Lovin’NEW 15台

NoName 15台

通常販売価格と比べましても非常にお得な値段での販売となりますので、ぜひこの機会によろしくお願い致します。

<ご注意>

 それぞれ3機種ともに前払い枠などを設定しています。先着順に予約を確定させて頂きますが、予約枠いっぱいとなった場合には申し訳ございませんが予約をお断りする場合もありますのでご了承ください。ただしキャンセルがあった場合、優先的にご案内差し上げますので宜しくお願い致します。

では、以下の画像からメールフォームへ!新機種共々GR ski lifeを宜しくお願い致します。

モニターボタン

モニターキャッシュバックキャンペーン

GR ski lifeがリリースする「ForFree」「SnowFairy」が気になって仕方ないあなたに耳寄りなキャンペーンです。

今季「ForFree」もしくは「SnowFairy」をご購入頂き、さらにモニターとしてアンケートにお答えいただいた方にはなんと最大五千円をキャッシュバックさせて頂きます!

【概要】

・対象

8月20日~12月20日までにForFreeもしくはSnowFairyをご購入頂いた方

・ご購入方法

GRオンラインショップにてご注文下さい。ご注文時に備考記入欄にて「モニター希望」とお書き添え下さい。(⇒GRオンラインショップは「 こちら 」)

<注意>

 本期間のオンラインショップ販売以外の商品では対応となりません。またモニターアンケート回答時には板の製造番号も必要となりますので予めご了承下さい

ご購入時にはメールアドレスが必要となりますが、必ずパソコンなどのメールが受け取れるメールアドレスにてご購入下さい。迷惑メール設定などでこちらからのメールが受け取れず、トラブルとなる場合があります。特に携帯電話、スマートフォンのメールアドレスはこちらからのご連絡ができない場合もございます

・モニターについて

ご購入後翌年の2月頃にモニターアンケートの用紙をお送り致します。こちらにご記入頂きご返送頂くと、キャッシュバックの対象として最大5000円をお送り致します。

※モニターアンケートでのキャッシュバックは一律3000円としますが、9月中までに板のご購入をされた場合、もしくはキャンペーン期間中にビンディングとセットでご購入頂いた方には特別に5000円のキャッシュバックとさせて頂きます。

(注)キャッシュバック方法について

キャッシュバックはモニターアンケートにご指定の口座をご記入頂くと、こちらよりお振込み致します。もしお振込みでは都合が良くない場合は、クオカードに代えてお送りすることもできます。

・モニターアンケートについて

いくつかの簡単な質問にお答えいただきます。ご回答の内容につきましては今後の商品開発などの為に参考にさせて頂きます。また個人情報につきましては今件以外での使用や流用を致しませんのでご了承下さい。

以上、宜しくお願い致します。

メンテナンスシート

メンテナンスシート

GR ski lifeでお預かりしたスキーボードはすべて、上のメンテナンスシートによって細かくチェックされて作業が行われます。ご依頼いただくと必ず作業前、後に板の写真を撮り、それらとメンテナンスシートと合わせてご依頼主様が確認できるように板と一緒にご返送させていただくようになっております。写真やメンテナンスシートのチェックした項目や作業した内容をご確認いただき、注文通りの作業になっていたかどうかをご確認下さい。また以後のメンテナンスにも役立ててもらえると思います。

尚、チェックシートは厳密に保管され、これによって個人情報が漏えいすることはありませんのでご安心下さい。

マルチユースコンセプトとロングサイズコンセプトについて

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「マルチユースとロングサイズ、二つのコンセプト」


2016-17シーズンにおいて、GRは二つの新たなコンセプトを提唱致します。

それは「マルチユース」と「ロングサイズ」です。

 

<オールラウンドではなくマルチユース>

GRではオールラウンドなスキーボードとして「ForFree」や「WhiteLand」をご用意しております。これらの板は高い評価を受けており、GRを代表するモデルとなっています。

ですが、なぜここで「マルチユース」というものを掲げたのか。それは「オールラウンド」なスキーボードはユーザーの技量が必要で、かつ滑走において考えられたものだからです。

GRの考えるオールラウンドは主に滑走です。様々な滑走シーンで十分に性能を発揮できる板がFFでありWLです。

それに対して「マルチユース」は滑走に限らず様々な状況やシチュエーションで楽しめる板。という事です。それは滑走だけでなくパークでのジブ、キッカーといったフリースタイルな楽しみ方や、ゲレンデサイドの地形やゲレンデパウダーなど、多様化するスキーシーンを十分に楽しめるスキーを目指して考えられたのがこの「マルチユース」です。そのためにマルチユースコンセプトの板は従来のものに比べて幅が広く、滑走性能よりも走破性能を重視して作られています。

このマルチユースコンセプトの板はまさに「ゲレンデの隅から隅まで楽しむためのスキーボード」なのです。たとえばFFのような高い限界性能を求めず、幅広く一日を楽しみたい。そんな方にはマルチユースはお勧めです。

 

<長いという今までになかった提案>

ロングサイズコンセプトはこれまでのスキーボードの常識を真っ向から覆すコンセプトです。スキーボードは短いもの。そんなイメージを打破する「長いスキーボード」。それがロングサイズコンセプトです。

長いスキーボードがあってもいいじゃないか?そんな素朴な疑問からこのコンセプトは誕生しました。そうして得られたのは圧倒的ともいえる滑走性能、スキーボードらしさを内包しながらも突出したその滑走性能は、スキーボードの新しい姿を提唱しているものとも言えます。

ロングサイズコンセプトの板は長いだけではありません。長いからこそ得たスキーボードの新しい可能性がそこにはあります。長いという提案が今後どのようにスキーボードを変えていくか未知数ですが、こういった革新的な提案をすることで、よりゲレンデを楽しめる世界を生み出せるのではないか?このロングサイズコンセプトにはスキーボードの新しい未来も期待しています。

長さから得られた圧倒的な滑走性能はこれまでスキーボーダーだれしもが経験したことない領域のものです。これまでの方も、これからの方も皆さんに感じて頂きたい新しい世界がそこにはきっとあると思います。

 

今期GRではこのような新しい提案をさせて頂きます。これらのコンセプトから生まれた新しいスキーボード「OverSize」「Lovin’NEW」「NoName」をよろしくお願い致します。

 

<補足 スキーボードのパーク内、ゲレンデ外の使用について>

 マルチユースをはじめ、これらの板はパークなどでの使用を考えて作られています。 しかし、これらはそういった使用において、板の破損について保障しているものではありません。パークでの使用やゲレンデ外での使用はあくまでの自己責任のものであり、これらの使用による破損、事故などは全てにおいて利用者本人の責任となります。特にパークでの使用による破損は「意図的な破損」とみなされますので、保証の対象外とさせて頂いております。

 もしこれらについて相応の保証を求める場合は、個人的に保険会社などに相談し保険をかけ、保証を求める必要があります。あくまでも製品としての保証は通常滑走においてのみのものでありますので、あらかじめご承知下さい。

2016年10月26日 | カテゴリー : blog | 投稿者 : YasutakaKikuchi

フレックスについて【もっと詳しく】

前回(→こちら)にて板のいろいろな言葉とその意味をご紹介しましたが、フレックスとトーションに関してもう少し説明が必要なので今回は踏み込んで説明します。まずは身近なフレックスについて解説しましょう。

では前回のこの画像を参考にします。

フレックスとトーション

それぞれの言葉が何を意味しているのかはご理解頂けていると思います。では、これが実際滑っていてどのように影響があるのか?と言う部分をまず説明します。

<滑走とフレックス>

フレックスはその板の「乗っている時の安定感」に繋がります。フレックスの弱い板はふにゃふにゃと安定しませんし、強い板はガチッとしていて扱いにくさを感じます。フレックスは自身の体重にも影響があるのでフレックスが弱いと言っても体重が軽ければ硬く感じたり強く感じたりします。

このフレックスはキャンバーと相まって車で言うサスペンションのような役割もあります。要するに足元にばねがあると思ってもらって差し支えありません。このばねがショックを和らげたり多少の凹凸を軽減してくれたり、ターンを簡単にもしてくれます。

スキーの板はこのフレックスをどのように表現するか。それによって多種多様な板が生まれていると言っても過言ではありません。

一般的に初心者向きの板ほどフレックスは弱く、上級者ほど強い板になります。それは初級者は体重以外で板をたわませられないので過度なフレックスは邪魔なものでしかなくなりますし、上級者は遠心力なども利用して滑るので体重以上のものを支える力が必要になりますし、滑走スピードも上がるので雪面からのショックに耐えうる強いフレックスが必要になります。

したがって一般で言われる初心者用、上級者用とはこのように大まかに性格が違うのです。なので上級者モデルだからとハイスペックで素晴らしい板だと思いきや、実際滑ってみるとあれ?滑りにくい、というのは良くある話なのです。

ちなみにこのフレックスの強い、齢を一般では「硬い板/柔らかい板」と表現しています。

→フレックスの強い板=硬い板
→フレックスの弱い板=柔らかい板
<フレックスを選ぶには?>

フレックスに関して選ぶには何か指標となる数字があればよいのですが、これはメーカーとしても具体的な数字で示しているものではなくユーザーの主観と経験で判断する他ないです。それはレベルや体格などで要求されるフレックスが異なる事と、板によっては板のノーズとテールでフレックスが異なることも良く有るからです。

したがってメーカーパンフレットなどで示されている情報からフレックスの強さを検討して、実物があれば自分で硬さを確かめるほかありません。(注:店頭などで許可なくフレックスを確かめるために板を押したりしてはいけません。確認する場合には店員さんにきちんと許可を頂いてから確かめましょう)

ですが基本的に

初級モデル=フレックス弱め  <  上級モデル=フレックス強め

となっている事が多いので、そのメーカーがどういったユーザー向けに提供しているか?でもある程度判断できます。また目安的に自分の滑走レベルを考えた時に「安定して止まれるか」「どんなスキー場のどんなコースでも不安なく滑れるか」を目安とするとレベルの判断がしやすいと思います。

初級→安定して止まることが出来ない、もしくは不安がある
中級→安定して止まることは出来るが、コースによっては滑れない場合もある
上級→ほとんどのコースで不安なく滑ることが出来る
<レベル、滑りにに合わない板を選ぶデメリット>

軽く前述していますが、レベルや滑りに合わない板を選ぶと大きくデメリットを感じます。具体的にどうかと言うと

 

「板が硬く感じる場合(フレックスが強い板を履いている場合)」

・滑走感が悪く疲れる

・ちょっとしたギャップや凹凸で跳ね飛ばされる

・ターンがしにくい(曲がりにくい)

・板がバタつく

・板がいう事を聞かない

・エッジが引っかかる

「板が柔らかく感じる場合(フレックスが弱い板を履いている場合)」

・足元が安定しない(フニャフニャ感がある)

・ターンの切り替えしがしにくい

・スピードを出してターンをすると怖い

・止まりにくい

・滑っていて板の振動を感じる

・エッジが利いている感じが薄い(板がズルズルと動いてしまう)

 

以上のように感じます。実際はこの限りではありませんが、多くはフレックスがあっていないことが原因のものでもあります。

<となると、初級なら柔らかく、上級なら硬いのを選ばないといけないの?>

と思うかもしれませんがそうでもありません。それは自身の滑走スタイルにもよるからです。むしろおすすめするのであれば

「初級者は柔らかいものを、上級者は好みで」

となるでしょう。硬い板はどうしても扱いにくさが目立ってしまいますが、柔らかい板はシチュエーションや滑り方をコントロールできれば大きくデメリットになる事もないからです。柔らかい板は構造上軽い板になる事も多く、その点でも初級者にお勧めするのであれば柔らかい板は扱いやすいでしょう。上級者ならば自分の好みの硬さもわかるでしょうし、さらに別で解説するトーションも絡んでくるとその板選びは非常に奥が深いものになるので、目安的にこれまでの話を念頭に置いておいて板選びの参考にして頂ければと思います。
以上、フレックスのより踏み込んだ解説でした。別記事となるトーションと合わせて読んで頂ければより板のスペックなどの見方が分かり、自分に合った板選びの目安になると思います。

フェイスブックページのご紹介

始めたばかりですのでまだ慣れていませんがフェイスブックページも運営しております。

代表 菊池のFB https://www.facebook.com/grskilife

GR ski lifeのFBページ https://www.facebook.com/skiboard.gr

こちらにて日頃の活動や仕事の進捗状況など公開しております。最近ではご注文頂いた板のチューンナップなどを行っております。

宜しければご覧になってください。

ビンディング取付に関するS-B-Bシステムについて

S-B-Bシステム(以下SBB)と言うものをご存じでしょうか?

SBBは <こちら> にて詳しく書かれていますが、国際標準規格であるISOに基づいてスキーと板を繋ぐ金具「ビンディング」の取付や調整が行えるように、指導を受けて認定をされた技術者がその取付や調整を行うというものです。これには国内外大手各社が賛同しており、もちろんGR ski lifeでも認定を頂いております。

一般ではビンディングの調整に関してこのような取り決めがある事はあまり知られていませんが、スキーショップなどでオーダーした際に身長や体重を確認されたり、ブーツを持ってくるようお願いされた方は多いと思います。それはこのSBBに基づいて調整する為に訊かれていたことで、多くの販売店がこのSBBの元にビンディングの取付と調整を行っております。

そのSBBで必要となるのが「身長」「体重」「年齢」「ソールサイズ」「スキーヤーレベル」の5つです。この5つから適切に解放値を割り出し、調整を行います。また、これらの情報は「ワークショップチケット」に記載され、適切に調整されたか記録して保管されます。「ワークショップチケット」はSBBの要ともいえるもので、ユーザーはその内容を確認して署名する必要があります。

この「ワークショップチケット」に記載される情報の中で特にわかりにくいのが「ソールサイズ」「スキーヤーレベル」でしょう。ソールサイズはスキーブーツの大きさの事で、すべてのスキーブーツに示されています。一般に24.5cmとか26cmと言ってものそブーツ自体のサイズはメーカーやモデルによって異なり、この数字は解放値を決める上で非常に重要な数字となります。

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写真のようにブーツ下部のどこか(この場合は305mm)に書かれている場合がほとんどです。書かれ方や向きなどはメーカーによって異なりますが、おおむね250~330mmの数字で書かれています。

そしてスキーヤーレベルは3つに分かれます。


 

スキーヤーレベル TYPEⅠ 穏やかで滑らかなな斜面を慎重に滑るスキーヤー

スキーヤーレベル TYPEⅡ TYPEⅠ TYPEⅢのどちらにも当てはまらないスキーヤー

スキーヤーレベル TYPEⅢ 急な斜面をコントロールして滑る高速志向のスキーヤー


このどれかにあてはめます。簡単に言えば安定して止まったり曲がったりが出来なければTYPEⅠ、どこのスキー場でもどんなコースでもコントロールして安定して滑れるならばTYPEⅢ、それ以外は全てTYPEⅡとなります。

そして身長や体重、年齢は正確な値をお伝え下さい。こうしてようやく解放値が決定できます。

解放値が決定してもまだ調整は完了していません。先述のソールサイズによってビンディングの幅の調整は行われますが、ビンディングのモデルによってはさらに細かな調整が必要になる場合がります。それは実際にお使いになられるブーツをはめ込み、適正に調整します。

KIMG0374

たとえばこのブーツのようにブーツ前方のビンディングにひっかける部分が削れてしまっている場合、適正なソールサイズ通りの取付でもはめ込むと適正にならない場合があります。この状態のビンディングは解放値が正しくても外れやすかったり、逆に外れなかったりと不具合を示す可能性があります。ですので可能な限り目視で確認し、調整可能なものに関しては調整を行い、正しくビンディングが作用するようにします。

ですので、お買い求めになる場合でも可能な限りブーツを預け、調整をしてもらうようご依頼下さい。(万が一適正でないと感じた場合は最寄SBB認定技術者にご相談下さい。店舗情報などは <こちら> にて公開されております)

こうして調整されたビンディングは効果を発揮し、怪我などの程度を軽減させることが可能になります。

 

このように業界としても安全対策の為に非常に厳しく行っております。この点をご理解頂いて快適なスキーをお楽しみ頂けたらと思います。

ビンディングの違いについて

先に http://grskilife.net/?p=602 をご覧頂くと話が分かりやすくなります。

前回、ビンディングについて解説しましたが、今回はスキーボード(ファンスキー)のビンディングのそれぞれについて解説したいと思います。

「 種 類 」

KIMG0439 プラビン(他と互換性のないプラスティック製の固定式ビンディング)

KIMG0467 4×4ビン(4×4規格の金属ないし樹脂製ビンディング)

KIMG0444 解放ビン (アルペンビンディング)

種類としては大きくこの3種に分かれます。それぞれについて簡単にメリット、デメリットを見ると

<プラビン>

・メリット 非常に軽量で、コストが安い。調整がしやすい

・デメリット 耐久性に難あり。メーカーによって仕様が異なり、取り換えが出来ない。外れない。

<4×4ビン>

・メリット 互換性があり、種類も豊富。ニーズによってビンディングを選べる

・デメリット 手に入りにくい。高価。外れない。

<解放ビン>

・メリット 転倒時に外れてくれるので怪我の程度を軽減できる。

・デメリット 重さ、価格。取り付けモデルの場合は選べない。

このようになります。

 

「 具 体 的 な 比 較 」

ではさらに違いを検討してみます

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<プラビン>

参考板:エラン社(EXPO)

参考ビンディング:取り付け済み 固定式

板重量/ビンディング重量:不明(総重量1.4kg程度)

全体的に非常に軽く、コンパクトなプラビンなので板が90cm程度であっても長く見えます。しかしビンディングが独自のものののため、当時持っていたブーツではマッチングに問題がありビンディングを少し加工して使っていました。他のブランドのプラビンでも耐久性や強度に問題が出ることが多く、リリースから10年以上経つモデルでは自然劣化による破損の可能性も否めません。ビンディングが壊れた場合はほぼ換装が出来なくなるので、板も処分しなければならなくなります。


 

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<4×4ビン>

参考板:GR ski life(ForFree)

参考ビンディング:固定式 樹脂製

板重量/ビンディング重量:990g/560g(計1550g)

3枚目写真は下のもの。数少ない樹脂製の4×4規格のビンディングで、プラビン並みの重量が最大の特徴。調整機構に若干難があるためハードな使い方には向かないが、締め付けにある程度バネによる遊びがあるため履きやすい。プラビン同様に劣化の問題や、ベースの金属やビスが錆びやすいという問題はあるものの、これ以上軽い4×4規格のものはない。現状では生産メーカーが無いために中古で稀に見つかる程度で手に入れるのはほぼ不可能。


 

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<4×4ビン>

参考板:GR ski life(ForFree)

参考ビンディング:固定式 金属製

板重量/ビンディング重量:990g/700g(計1690g)

2,3枚目はそれぞれ上のもの。標準的な4×4規格の金属ビンディングで、これは最もベーシックなもののひとつです。樹脂製のものに比べてずいぶん重くはなりますが実際の使用感に問題はなく、プラビンや樹脂製に比べても高い剛性があるのでハードな使い方にも十分耐えることが出来ます。新品は手に入れにくいですが中古でも比較的手に入れやすく、質の良い中古品はオークションでも活発に取引されています。


 

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<解放ビン>

参考板:GR ski life(SnowFairy)

参考ビンディング:フリーライド向けアルペンビンディング 樹脂/金属製

板重量/ビンディング重量:775g/765g(計1540g)

マーカー社のフリーライド向け超軽量ビンディング。ハードユースにも耐えられるスペックながら非常に軽く、今回の組み合わせであれば4×4ビンよりも軽くなる可能性もあります。値段がネックではありますがその性能は十分なもので、長板でも評価が高い。プラビンなどに比べて見た目が大きいのでスキーボードの軽さを見ることが出来ませんが、履いてみると重さを感じさせません。板の横に伸びている2本の棒は「ブレーキ」と言って、板が外れた際にどこかに流れていかないようにするためのものですが、スキーボードの場合幅が広いものが多いためブレーキ幅は確認して取り付けないと対応しない場合もあります。(このビンディングは問題なし)


 

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<解放ビン>

参考板:GR ski life(WhiteLand -theFirstLimitedBlackEdition)

参考ビンディング:一般/レンタル向けアルペンビンディング 樹脂/金属製

板重量/ビンディング重量:880g/800g+210g※本体+レール重量(計1890g)

チロリア社のレールシステムを用いたビンディングで、最大の特徴は非常に簡単にサイズ調整が可能な事。このモデルは263mm~347mmと非常に幅の広い調整幅を持ち、かつ軽量である事から最近様々な板に採用されています。樹脂を多用することで軽量感がありつつもビンディングとしての機能は標準的なもので、スキーボードのビンディングとしても十分に使える革命的な一台。最軽量級とはいえ固定ビンの重さにはかなわないものの、しかしほぼ匹敵する軽さであるのでその使用感はほとんど大差がありません。


 

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<解放ビン>

参考板:GR ski life(ForFree)

参考ビンディング:一般/レンタル向けアルペンビンディング 樹脂/金属製

板重量/ビンディング重量:990g/805g+200g※本体+レール重量(計1995g)

チロリアのレールシステムビンディングの最新機種。上記のモデルの上位機種となり、同じく広い調整幅(255mm~338mm)を持ちつつも、スキーボードにおけるレールシステムのデメリットである板への影響を最大限解決しています。レールシステムはそのレールそのものを板に固定しますが、そのレールが影響して板が本来よりも硬く感じられるようになってしまいます。このモデルではその点を改善したため、レールシステムでありながら板の性能も犠牲にしない非常に優秀なビンディングとなっています。

 

このように、ビンディングによってそれぞれ異なった特徴があります。GRでご紹介、用意しているビンディングは全て軽量かつスキーボードに適したビンディングで、その重量なども比較して頂ければさほど差はありません。ちなみに今回手元になく比較できませんでしたが、解放式のレンタル用のビンディングのモデルは総重量が片足あたり2kgを超えるものが多く、軽量感はやや損なわれてしまいます。

 

「 重 さ 」

スキーボードのビンディングほど「重さ」を気にするものは無いでしょう。では、その重さのメリット、デメリットは何なのでしょうか?

重いビンディング

・メリット 重さがあるので安定感があり、剛性がある。余計な振動や挙動を吸収して適切に保持、解放が行える

・デメリット 操作感が重く感じて鈍い。足が疲れる。滑る用途以外には向かない。

軽いビンディング

・メリット 操作感が軽く、足元だけで板が操作できる。グラウンドトリックがしやすい

・デメリット 無用な挙動や振動を拾いやすく、足元が安定しにくい。高速時に不安定感を感じる

このようになります。スキーボードは軽さと言う部分で特に進化したため、滑りだけでなく頻繁に足を上げたりすることがあります。そういった場合重いビンディングは邪魔にしかならず、軽いビンディングが要求されています。長板などでは元々足を上げて滑るシチュエーションもほとんどないためビンディング自体の重さはデメリットになりにくく、むしろ重い方が安定感があって上級には好まれる傾向にあります。

足元の安定感があるというのは他にも意味があり、怪我などにおいては軽いビンディングよりも重いビンディングの方が安全性が高い傾向にあります。足元だけで操作しがちな軽いビンディングでは足をひねってしまう誤操作が多く、特に板も短いスキーボードでは顕著とも言えます。その点がスキーヤーにとってスキーボードを良しとしない理由の一つでもありますが、しかし重いビンディングは滑走スピードが高速化しやすく扱うには技術も必要になるため、怪我と言う部分においては実は大きく差が出ることは意外とありません。

むしろ「軽さ」においてメリットを見出して進化してきたスキーボードにおいて、重いビンディングしか選べないのはデメリットでもあります。しかし最近のフリースタイルスキーブームのおかげで生み出された超軽量ビンディングの登場で、スキーボードの世界も大きく変わろうとしています。スキーボーダーもビンディングを選ぶ時代が来たと言っても過言ではありません。

 

「 そ の 他 に つ い て 」

固定ビン、解放ビンにはそれぞれ機能があります。

<固定ビン>

履いたら外れませんが、その目的が単純な事から非常に軽量なものが多くあります。ブーツの大きさに対応する調整機能を持つものがほとんどで、多くのブーツに対して合わせることが可能になっています。スキーボードの普通では想定しえない動きにも十分対応でき、怪我の懸念はありますが有志による技術の検討や熟達、指導によって怪我も昔に比べて少なくなってきている。

4×4規格のものであれば自由に付け替えが可能で、固定ビンを一台持っていれば様々な板に付け替えて履く事が出来る(ただし自分で取付、調整したものは全て自己責任です)

<解放ビン>

有事の際に外れて怪我のリスクを軽減させてくれる(怪我そのものを防ぐものではない)。非常に多くの種類があり、自分の目的に合わせたものを選べる。基本的に取り付けてしまった場合は再度取り外して取り付けることが難しく、スキーボードの場合固定ビンのように複数枚所有してビンディングだけ付け替えて使用するのが難しい。コスト的にも固定ビンよりも高額なため、複数所有する場合にはデメリットになるが、怪我のリスクを考えた場合にはやはり固定ビンよりは圧倒的に安心感がある。取り付け、調整には基本的に認定された技術者に依頼するのがほとんどで、知識と経験が無ければ自ら取り付け、調整するのは避けた方が良い(この場合も自己責任になります)。

ビンディングにおいて最大の機能は「ブーツと板を繋ぐ」ことで、少なくとも怪我のリスクや今後を考えた時にはスキーボードであっても解放ビンを私は勧めます。固定ビンを選ぶ場合は何よりも「解放しない」という事を念頭に置いて、怪我などのリスクも含めて責任が取れる場合でないと安易におすすめすることは出来ません。

 

いずれにしてもその使用に関しては利用者の自由です。これまで選択する機会が無かったスキーボードのビンディングは、今、解放ビンも加えて多くのものを選べる時代になりました。今回違いという事で解説させて頂きましたが、こういった違いに対する知識も皆さんで共有して、よりスキーボードが発展していったらと願っています。

ビンディングによってスキーボードは新しい時代に突入しました。現時点で解放ビンが選べるのはGR板しかありませんが、この先いろいろなアイデアで楽しい板が生まれ、それぞれのユーザーが楽しんで選択してスキーボードを楽しんでもらえたらと思います。

バインディング取り付けの仕様変更につきまして

これまでアナウンスさせて頂いておりましたが、当ブランドのB-セレクトコンセプト基づきました「ForFree」と「SnowFairy」につきまして仕様変更が行われましたのでご報告いたします。

 

バインディング取り付けの為に金属製のプレートを内蔵し、一般のバインディングの取り付けが可能になるB-セレクトコンセプトにおきまして、この構造をグラスファイバー製のものに変えることが出来ました。これにより従来のスキーボードとほぼ変わらないフレックスを維持しつつ、一般的なバインディングの取り付けも可能になりました。金属プレートではフレックスが硬くなるのでは?との不安もあったでしょうが、その点が大きく解決されております。

 

*フレックスに関しての詳しい説明は ⇒ <こちら:「フレックスについて」>

 

尚、バインディングの取り付けに関しましては商品に同梱されます取扱説明書にて示してある通りのお取り付けをお願い致します。

また、カタログ、動画などでアナウンスしています内容につきまして変更させて頂きます事を、ここにお詫び申し上げます。