スキーボードのビンディングとは?

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スキーボードのビンディング?と言うと、ほとんどの方が「元々ついてるものでしょ?」と答えます。これは昔、ファンスキーやショートスキーと呼ばれていた頃からなぜか短い板には簡易的なビンディングがセットになっていて、そのイメージは今でもあります。

KIMG0440 多くの人のイメージにあるのはこれ

写真はエラン社のスキーボードで、簡易的なプラスティック製のビンディングがついています。このプラスティック製の固定式のビンディングは俗に「プラビン」と呼ばれ、かつてのショートスキーやファンスキーからスキーボードに至るまでに大きく影響を与えたビンディングです。

では、なでスキーボードには普通のビンディングがついているものが少なかったのか?これには非常に複雑な大人の事情もあるのですが、簡単に言えば

「普通のビンディングを取り付ける義務が無かったから」

です。これはISO規格やドイツ工業規格などにも及ぶ話なので割愛しますが、いろいろあって各メーカーがプラビンを選択して販売していました。

その頃、一部のメーカーは「4×4」(フォーバイフォーと読む)と言う規格に着目し、板とビンディングを別に用意し始めました。これらはハイパフォーマンスなものが多く、上級のスキーボーダーに多く受け入れられました。

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これらはGRのForFreeのものですが、スノーボードと同じような4つの穴をビンディング取付位置に用意し(インサートホール)、金属製などの固定式のビンディングをボルトで固定できるようになっています。写真3枚目のように異なるビンディングでも規格が同じものなら自由に選べるため、好みで組み合わせを自由に変えられます。

この4×4固定ビンディングは重量こそ従来のプラビンに劣るものの、その剛性や強度、取り換えがほぼできないプラビンと違い換装可能な点などが多く受け入れられ、今でも多くのスキーボーダーが利用しています。

しかし、残念ながら4×4固定ビンディングは現在なかなか手に入れることが出来ないものになっています。それは「簡単に外れない」と言う特徴がケガを重症化させやすいなど、一般に受け入れられなくなったからです。現在では自己責任において利用されていますが、新品を手に入れることは非常に難しくなっています。

これに代わって近年台頭し始めたのがレンタルで使われる調整幅の広い解放式ビンディング(一般にはアルペンビンディングと言いますが、ここでは固定式と区別するため解放式とします)です。このビンディングは一般ではレンタルビンと呼ばれていますが、その解放機能と調整幅のメリットはあるのものの、硬さや重量でスキーボードに与えるデメリットは多く、上級者にはなかなか選ばれないものになっています。板のコストパフォーマンスもあまり良くなく、過去の4×4規格の上級モデルに匹敵するものはありませんでした。

そこでGRが用意したのが「解放式でも取り付けられる板」なのです。この仕組みはこれまでになかった新しい発想の板です。

GR板はそのコンセプトとして「ユーザーが自由にビンディングを選べる」というものがあります。一部のモデルを除いてですが、固定ビンディングの取り付けられる4×4規格のインサートホールと、解放ビンディングが取り付けられる板内部の補強、ビンディングプレートが内蔵されています。これによって規格に準じた固定、解放のビンディングが取り付けられ、ユーザーの好みによって選ぶことが出来るようになりました。(ただし自分で取付、調整を行った場合は全て自己責任となります。ご容赦下さい)

KIMG0448 SnowFairy+Squire11

KIMG0455  ForFree+SLR10

このように解放式のビンディングも取り付けできます。これだけでなく始めから取り付けたモデルも用意しています。

KIMG0446 WhiteLand+LRX9.0

これらのビンディングは非常に軽く、スキーボードの特徴を生かしつつ、解放ビンディングが使えます。

ビンディングそれぞれについては次の機会に説明しますが、最近ではGRでも採用しているLRX9.0が標準取付されている板も出始め、スキーボードは次の段階に移行しつつあるとも言えます。そしてこれまで4×4固定ビンディングしか選べなかった中級以上のユーザーに一つ選択肢を提供できたのも、新しい段階に移行するきっかけになるのでは?と思っています。

最後は手前味噌になってしまいましたが、ビンディングについての説明でした。

チロリアSLR10のセット販売とSLRについて

FFSLR SFSLR

昨日よりチロリアSLR10のセット販売を開始しました。FF,FS共に取り付け料込で56052円(税込)です。

このSLRと言うビンディングはWhiteLandに採用しているLRX9.0の上位進化版で、LRXのデメリットを最大限解決しているのが特徴です。

LRXやSLRはチロリア独自の「レールシステム」を採用しています。このレールシステムの恩恵は大きく、ブーツやソールサイズが大きく変わっても非常に簡単に調整でき、従来のこういった調整幅の大きいビンディングにありがちだった重量が重くなる問題を解決したばかりか、他のビンディングに比べてもトップクラスの軽さを誇ります。

具体的に、従来型の一般のアルペンビンディングの重量が片足あたり900g~1kg、調整幅の大きいいわゆる「レンタルビンディング」と呼ばれるものでは1kgを大きく超えるものも多く、その構造が非常に硬い為に板のたわみを阻害して滑りに影響を及ぼすものが多く有りました。

しかしこれらを解決したのがチロリアのレールシステムで、ライトレールを採用したLRXではその片足重量が800gと群を抜いて軽く、そしてレンタルビンディング並みの調整幅と調整のしやすさを持った革命的なビンディングです。

LRX

見た目にもレンタルっぽくないデザインで、GRではWhiteLandに採用しました。

しかしデメリットもあります。LRXはレールシステムのレールを板に取り付けますが、そのレールがスキーボードでは少なからず硬さに影響を及ぼすのです。WhiteLandではLRX専用という事で板の構造に手を加えてその点を解決していますが、様々なビンディングを取り付ける事を想定したForFreeやSnowFairyは元々中、上級者向けの為に板が硬く、そこにLRXを合わせると余計に板が硬く感じてしまう事がありました。

そこでSLRです。SLRはLRXとはまた違った「スーパーライトレール」を採用しており、同じ仕組みながらレールの硬さが最大限影響を及ぼさない構造となっています。

SLR

見た目もほぼ同じ、軽さも片足あたりたった5g重いだけでなく、ソール長が255~338mmと幅広く対応しています。(*LRXの同サイズレール239~323mmより一般向け)

ブーツのサイズが大きく変わらないのであれば同じ値段となるマーカーのスクワイヤーをお勧めしますが、そうでない場合はSLRはおすすめできる1台です。FFやSFで幅広い調整幅を持たせたい場合は、SLRと言う選択肢もありだと思います。

 

なお、FFとSFのSLR仕様に関しては試乗板をご用意しています。試乗会の際にぜひお試し頂ければと思います。また、SLR単品での販売(税込23460円)も行っておりますのでご入用の際にはご用命頂ければと思います。

痛板GJ5に参加させて頂きます

来る2015年1月10日~12日に、白馬村のHAKUBA47スキー場で行われます痛板ゲレンデジャック5に、GR ski lifeがブランドとしてブース出展します!

痛板のHPは< こちら >

 

痛板って何?と言うかたもおられるでしょうが、痛板は自分のスキーやボード、スキボに自分の好きなキャラクターなどのデザインを張り付けて楽しむ新しいスキーの楽しみ方です。これまでのスキーは「滑って楽しむもの!」でしたが、痛板は「板を好みにデザインして楽しむ!」と言う、全く新しい楽しみ方のスタイルです。

スキーのデザインは近年すごく進化して、カッコいデザインやかわいいデザインなどが増えてきました。かく言うGRもデザインにかなりこだわっていまして、FFなど結構好評を頂いておりますが、その板をさらに好みにしてしまう!と言うのが痛板の凄い所です。自分でデザインし、型紙を切ってきれいに貼り付けてと、ものすごく手間と労力がかかる作業の末に生み出される痛板は、まさに唯一無二の自分の板になる訳です。

実は昨年、とある機会があって半日だけですが痛板のイベントにお邪魔しました。元々痛板というものも文化も知っていましたが、参加は初めてでした。

そこで経験した圧倒的な盛り上がりとパワー、楽しさはすごいものでした!これまでスキー場は「滑る」ためのもので、道具も「滑る」ためのものでしたが、彼らにとってスキー場は「表現する場所」であって、道具は「表現」でした。

「表現」という意味ではスキーボードも近いものがあります。枠にとらわれずに自由に楽しめるスキーボードはまさに自分の楽しみ方の表現ですが、さらにそこに加わった痛板と言うパワーは素直にリスペクトする力がありました。

なにより「楽しそう!」長年スキーをやってきて、こういう新たな楽しみ方があるというのを肌で実感し、GRというブランドではぜひ痛板を支援したい、そう思いました。コンセプトとしてFFにその意味を盛り込み、型紙を提供するくらいしか今は出来ていませんが、何か一つでもこの新しい楽しみ方のお手伝いが出来ればといろいろやってみたいと思っています。

 

と、そんな背景がありましてGRは痛板を応援することになり、ご縁があってGJ5にブース出展をさせて頂く事になりました。3日間ご厄介になりますが、展示、スキーボードの紹介、試乗はもちろん、痛板の運営さんと組んでみんなが参加できるイベントも企画しています。その企画がどのようなものか?は、また追って報告させて頂きますが、GJ5がさらに盛り上がればと思っています。

 

ちなみにですが、痛板をやる方(痛板勢)の多くはコスプレも楽しんでいらっしゃいます。そんな方々にもスキーボードはおすすめだと思います。取り回しが短くて楽なのでコスプレを邪魔しない利点もあり、滑りでもたくさんアピールできます。両手が空くのも利点だと思いますし、ボードのように装着の手間もお尻を濡らしたりすることもないのもメリットだと思います。昨年の私が参加したイベントではGRのメンバーが手を繋いで滑るという技で盛り上がっていましたが、近い距離感で楽しめるのもまたスキーボードの魅力だと思います。参加される方はスキーブーツさえ手配して頂ければ試乗は3日間いつでもできますので、一度試してみてはいかがですか?

オンラインショップを立ち上げました

siteTOP

 

11月1日より、GR ski lifeのオンラインショップが立ち上がりました!GRのスキーボードやグッズが買えるのは今はここだけです!

ここに至るまでに非常にたくさんの皆さんのお力もあって販売が始められるようになりました。本当に感謝しています。

 

GR ski lifeは、もともとGR(GrandtrickRaver’s)と言うスキーボードコミュニティから誕生しました。GRは2005年から活動しているコミュニティで、とにかくみんなでスキーボードを楽しもう!と、日本各地でイベントを行い活動してきました。

その運営の中で減りゆくスキーボーダーと、売り場から消えつつあるスキーボードを間近に見ていたメンバーたちの声「このままじゃスキーボードがなくなる」と言う声が、このブランドを立ち上げるきっかけになりました。スキーボードがそこにあれば長く続けていけるし、新しい愛好者も増えていくはず。GRがスキーボードを販売し、イベントやコミュニティー活動を行っていくことで、一人でも多くの方に一日でも長くスキーボードを楽しんで頂きたい。その一念が「すべては、すべてのスキーボーダーの為に」のスローガンの元にGR ski lifeを生み出しました。

スキーブランドとしては新参者で、しかも生産量の少なさからなかなか認知度も上がらない当ブランドですが、それでも少しでもスキーボーダーの支えになればと、頑張って運営していくつもりです。

 

さて、販売商品ですが、少ないですがすべてこだわりのものです。スキーボードは全て一台一台丁寧に手仕事で仕上げたものを、デザインなどもこだわり所有して頂く皆さんに満足してもらえるように用意致しました。乗っていただければきっと満足してもらえるように、常にスローガンを胸に頑張ってまいりますので、立ち上がったオンラインショップと共に末永くご愛顧頂ければと願います。

GR板のプレチューンナップ作業の紹介

GR板のプレチューン紹介動画です。GR板は全てこのような作業の後に出荷されております。

(注)

これらの作業は滑走性などを向上させる目的で行われておりますが、すべてのユーザーに対してその効果を保障するものではありません

また、その効果は一時的なものであり恒久的に維持されるものではありません、これらの点をご了承ください。

スキーボードの板の種類(形状)について

スキーボードは短いですが、非常に豊富な板の種類があり、それぞれにその性能は違います。見た目にはわずかな差ですが性能が異なるのはスキーボードが短いというのが一番大きな理由です。

では、どのような種類があるかと言いますとまず形状の違いから3種類があります。

板の形状の違い

現在主流になっているのは「ツインチップ」形状で、この形状は様々にメリットがありフリーライドと呼ばれる長板を含むスキーの世界では多くに採用されている主要な形状です。この形状の最大の利点はテール部が反りあがっている事であり、前方向だけであったスキーが後ろにも自在に動け、その可能性を大きく引き出してくれました。

対して従来のスキーや、長板では主流なのがテールカット、もしくはラウンドカットです。テールカットは最も従来に近い形であり、その特徴は前に滑る目的であること。ラウンドカットはコンフォートなスキーで良く採用されている形状でテールカットよりも板の取り回しが楽になっています。

このテールカットとラウンドカットは現在のスキーボードではあまり採用されていない形状です。特にテールカットのものはほとんどなく、あったとしても非常に古い板であることが多いです。

これらの3種類を具体的にメリット、デメリットを上げると

ツインチップ

メリット:取り回しに優れ、方向を気にせず扱える   デメリット:滑走性や安定性が他に比べて劣る場合が多い

ラウンドカット

メリット:滑走性を犠牲にしない程度で取り回しが良くなっている   デメリット:後ろ向きにも扱えるが限界がある

テールカット

メリット:滑走性に優れ、板の本来の性能を最も発揮できる   デメリット:取り回しが悪く前方向にしか要さない

となります。単純にはツインチップとテールカットがあり、そのいいとこどりがラウンドカットだと理解してもらっても良いでしょう。尚、GRの板で言えばWhiteLandとForFreeはツインチップ形状、SnowFairyがラウンドカットになります。

スキーボードの場合、元より短いためにその滑走性を維持しようとするとどうしても太くする必要も出てきます。これは接地面積を増やして安定させる意味が大きいですが、これも違いがあります。

一般に太いものは「ファット形状」細いものを「ナロー形状」と言います。その境はだいたいサイドカットのセンター幅が80~90mmを超えるかどうかであり、それ以下は「ナロー」、それ以上は「ファット」となります。

ファット形状は素晴らしい安定感をもたらしますが、反面板は反応が鈍く取り回しにくくなります。ですので「太ければよい」と言うものでなく、太すぎるものは曲がりにくく、逆に扱いにくくなります。ですがパウダーなどのシチュエーションでは太いものの方が有利で、他にも左右に対して安定性を求めるジブなどでは太いものが好まれます。

対してナロー形状ですが、これは最近少数にはなっています。板の反応が鋭く動きにすぐさま反応します。ファットに比べて安定性は劣りますが、ダイレクトな操作感を求めるのであればナロー形状はファットにはない十分な操作感を与えてくれます。安定性に対してデメリットがあるため近年ではあまり見かけませんが、そのクイックな乗り心地はスキーボード本来の軽い乗り味を最も表現しているものだと思います。

注意点としてこの太さの違いは体格によっても感覚が変わります。特にスキーレベルが低い方や小さい方にとっては太い板は扱いにくくなりがちです。かなり使用感に差の出る部分であるので板選びの際には注意したい部分です。

なお前述しましたが、近年であればナロー形状は少数派となっています。それは昨今のファットスキー人気と安定性の向上を目的としたもので、センター90mmの太さでもナロー形状に劣らない使用感を与えてくれる板もあります。GR板に関しては使用感と取り回しを重視しセンター90mmのモデルを展開しています。

板の各部の名称

さらに板の構造として「サンドイッチ構造」と「キャップ構造」があります。これは製法の違いですが、乗り味にも影響があります。

サンドイッチ構造は板が重くなりやすいデメリットはありますが、板全体のフレックスやトーションを設計しやすく、しっとりした乗り味の板が多くなります。たわませてエッジを使う使い方に適しており、高額になりやすい意味もあり上級のモデル向きな構造になります。

キャップ構造は構造が簡単なために初、中級モデルで良く採用されますが、軽さや耐久力ではサンドイッチ構造よりも有利で、エッジの利き具合もこちらの方が優位となる場合もあります。価格と軽さを重視するスキーボードでは主流の構造で、最近ではサンドイッチ構造に引けを取らないものもあります。


このように板の形状として

ツインチップ ラウンドカット テールカット

その太さとして

ファット形状 ナロー形状

そして以前説明しています構造としての違い

サンドイッチ構造 キャップ構造

これらを組み合わせてスキーボードは様々に商品が展開しています。実際に板選びの際に参考にすると、自分に合った板が見つけやすくなると思います。またこれらの言葉の意味が理解できるとカタログなどで説明される板の性能などが想像しやすく、複数の板を所有した場合でも遊びやシチュエーションに合わせた板をチョイスしやすくなると思います。

トーションについて【もっと詳しく】

前にフレックスとトーションについて触れました。(参照:こちら

フレックスとトーションは切っても切れない関係で、そしてフレックスについて詳しく解説させて頂きました。(参照:こちら

そして今回はトーションについての詳しい説明です。トーションに関してはかなり理解するに難しい点もありますが、これを理解することが実は「スキーボードがなぜ短いだけのスキー板ではないのか」を説明する為にも大事な要素となります。

 

さて、トーションですがつまりは「板のねじれの強さ」です。スキボに限らずスキー板もスノーボードも板のねじれ──トーションがあり、これがさまざまに板のバリエーションと乗り味を出しています。

フレックスとトーション板の各部の名称

トーションとフレックスの関係性はフレックスの部分でも説明していますが、このトーションを説明するのにもう一つ大事なのがサイドカットの形状です。近年のスノーボードを含むスキー板はサイドカットが付けられたいわばしゃもじのような形状になっています。この形状のお蔭でスキー業界では大発明となった「カービングターン」が生まれ、倒すだけでも誰でも特別な技術を必要とせずに曲がる事が可能になりました。

このカービングターンに適した形状を従来のまっすぐなストレート形状と区別してカービング形状とも呼びますが、この形状が非常にトーションと深く関係しています。

 

一般にトーションが強い板はエッジが利きやすく、弱い板はエッジが利きにくくずれやすい特性があります。それはターンの時に板が傾いた際にトーションが強いと板がねじれずそのまましっかりエッジに力が伝わり、トーションが弱いと板がねじれてエッジが立たず板がずれていきます。

それだけでなくトーションが強いとサイドカットの頂点(上の図のA,C)にはターン中に大きなねじれの力が加わりますがねじれに耐えるのでそのまま板は深く深くたわませられたり、エッジを強く効かせることが出来ます。一方トーションが弱いとA,C点が足元に比べて大きくねじれてしまい、足元よりも先端側のエッジは利きが弱くなります。同時に板がたわみにくくなるのでターンは浅くなったり、横にずれたりします。

ターン中トーション

この図はイメージ的なものですが、サイドカットの頂点に雪面が引っかかって板がたわむとイメージするとわかりやすいかもしれません。

つまり、トーションの強さでエッジの利きの強さや板のずれやすさ、板のたわみやすさや扱いやすさを表現しており、各社の様々なモデルの板はどのようにねじれてどのようにたわませるかを考えて作られています。


 

  • スキーレベルとトーションについて

スキーレベルとトーションは重要な関係があります。結論から言うと

初級⇒トーションが弱いもの

上級⇒トーションが強いもの

をお勧めします。トーションが強くなるとどうしてもエッジの利きが強くなりコントロールが難しく、また脚力自体も必要になってきます。またトーションが強い板はフレックスが硬い傾向にあるため反発も強く、スキー全体のコントロールが出来るレベルでないとただただ滑りにくい板になります。

トーションの弱い板はずれやすい反面マイルドで、ブレーキ操作もしやすい傾向にあります。限界域での性能はやはり劣りますが、それ以上にもてあますような挙動を見せない分楽に扱えます。

もしも板がどうしてもエッジが強く感じたりする場合は、おそらくエッジが立ちすぎているか、トーションの合わない板を履いているかどちらかの理由になると思います。これを改善させるには「ダリング」と言うエッジを意図的に落としてずれやすくするチューニングを行えば改善されますが、ダリングしても扱いにくい場合は板を変える他方法はありません。

 

  • トーションの利きやすい板とは?

トーションの利きやすい板はフレックスの強い板、そして幅の狭い板です。もともと板が硬いフレックスの強い板はトーションも硬くなり、また細い板は構造上ねじれにくいためにトーションが利きやすくなります。このような板は非常に動きがクイックでスキーボードにおいてもこの傾向は同じものです。また板の構造上の部分、多くの場合サンドイッチ構造よりはキャップ構造の方がトーションが強くなります。(ただしサンドイッチ構造の板はキャップ構造に比べて非常に細かく板のフレックスやトーションが調整できるのでその限りでない板もあります)

 

  • スキーボードにおけるトーションとは?

スキーボードはその安定性と滑走性を確保する為に長板に比べて幅の広いものが主流です。実はこの点が非常に大きな意味を持ちます。これは幅の広い板は構造上トーションが弱くなりやすく、トーションを確保する為に板が硬く、重くなる傾向にあるためです。

しかし幅広の板でフレックスが弱いと驚くほどペラペラした弱い板になります。こうした板は体重が軽い型や女性、筋力のない方には扱いやすいのですが体重のある方や筋力のある方には安定感のない非常に足元が不安定な板に感じてしまいます。

これは板が短いスキーボード特有のもので、長さのある長板のスキーなどではここまで極端に感じることも少ないものです。なのでスキーボードではわずかな板の幅の違いや硬さの違いが大きく滑走感に影響します。したがって従来のスキーボードが幅の広いものほど硬く、上級指向にあったのは不安定なトーションを確保する為に仕方なくフレックスも強くしていたという影響もあります。

しかし最近では技術向上もあって乗りにくいほどフレックスを固めずにトーションを確保した板もあります。またダリングの活用によって昔よりも乗りやすい板が作れるようにもなっています。

 

  • トーションの確かめ方

フレックスと違いトーションは乗ってみなければ確かめることが難しく、しかも前述のダリングやチューンナップ、雪質などによって変わるために簡単に確かめる方法はありません。おおむねフレックスの方さから推測する他ありませんが、試乗会などがあればそこで確かめるのが一番良い方法です。

適切なフレックス、トーションの板は非常に扱いやすく、快適に滑れます。自分がどういった滑りを好むのかを把握しておくと板選びの時に差を体感することが出来ると思います。


 

トーションは感覚的な部分も多くはっきりと感じることも難しいのですが、今後「ダリング」や「ビベル」と言ったチューンナップに手を伸ばした場合には少なからず知っておいて損のないものです。また各メーカーがフレックスを固めすぎずにトーションを確保する為に様々に工夫していますので、板選びの際にも役立つと思います。

最後にトーションをまとめるならば、ターン中の板のたわみとエッジの利きを左右するのがトーションの役割と考えて貰えば良いと思います。非常にわかりにくい解説になりましたが以上です。

 

 

コミュニティGRがリニューアルしました

GRmini長らくお待たせいたしましたが、コミュニティーGRがリニューアルし、本日より公開となっております。

 

http://www.grandtrick.net

このコミュニティーGRは元は2005年から私が運営しておりますスキーボードチーム「GrandtrickRaver’s」が元となっております。ちなみにGrandtrickのつづりは意味があっての造語で間違いではありません。

このGrandtrickRaver’sは通称GRの名で親しまれておりまして、現在日本最大規模の活動しているスキーボード団体の一つとして運営されています。その規模はメンバーが日本中に、北は北海道から南は九州まで、大勢の皆様にご参加頂いております。

ブランドのGRと区別する為にコミュGRと書きますが、コミュGRでの活動が今現在このブランドGRを生み出したと言っても過言ではありません。GRではmixiを利用してメンバーを管理し、毎シーズン活発に活動を行っております。その中で皆さんの意見や現状、希望や要望が積み重なりGRが生まれました。

 

そんなコミュGRはこの春に一旦リニューアルの為に閉じさせてもらっていました。というのもブランドGRが立ち上がった事でそのサイト機能に変更を迫られたのと、長らく更新していなかったのでこの機会にと思い一旦閉じていました。そしてこの度リニューアルとなったわけです。

新しいコミュGRではコミュニティー機能を前面に、スキボのデータや解説などはブランドGRで行っているのでそのデータベースとして活用することにしました。ですので

・スキボで楽しんだり集まったり、皆さんの活動を支えるコミュGR

・スキボの販売から解説など、スキボを支えるブランドGR

と棲み分けることになります。もちろん管理者代表は私ですが、コミュGRは基本的にフリーの団体となるので、GRのスキボユーザーだけでなく多くのスキーボーダーに参加して頂きたいと願っています。

これまでGRを懇意にしていただいていた方に於いてもコミュGRの活動自体はほとんど変わりません。これまで通り楽しいイベント活動など企画しますので随時チェックして頂ければと思います。

 

改めましてコミュGRを宜しくお願い致します。

板の予約が始まりました

本日より板の予約が始まりました!

シーズンまで残り数か月!そろそろ今シーズンの準備を…と考えていませんでしたか?GR ski lifeではそんなあなたに4種類の板を今シーズンご提供します。

初心者から乗りこなせるエントリーモデルの「WhiteLand」はうれしいバインディング付で、ほとんどのスキーブーツに合わせて調整が可能です。

足前に自信のある方は「ForFree」あなたのスキーが自由に!解き放たれた快感をご体感下さい!

女性や体格の小さい型には「SnowFairy」90cmの短い長さでありながらラウンドカットの採用でその滑走感は99cmに匹敵します!

そして限定50台となる「WhiteLand-theFirstLimitedBlackEdition」はWhiteLandの色違いですが今回限りの限定モデルです!

 

尚、予約特典として販売予定のステッカー、チューンナップ割引券、送料1000円の各種特典がございます。こちらの予約は実販売が始まるまでの予約ですのでお早めにご予約頂けたらと思います。

今シーズン、スキボで楽しんでみませんか?身近で手軽で楽しくて奥の深いスキーボードは、きっとあなたの新しいスキーライフの扉を開けてくれます!そしてゲレンデにはGR ski lifeのベースとなったコミュニティの仲間たちが大勢います!皆さんで今シーズンのゲレンデを一気に盛り上げましょう!!

<<予約受付はこちら>>