スキーワックスのやり方です。最低限の道具での方法を紹介しています。
12月 2014のアーカイブ
2015GRスキーボードモニター募集(モニター期間2/11まで)
GRからのお年玉!GRのWhiteLandを体験できる無料モニターを募集します!
<募集要項>
GR ski lifeのエントリー向けスキーボード「WhiteLand」の通常版、限定版を各1台づつ体験して頂ける方を募集します。
(板についての説明は⇒こちら)
- 募集期間内にツイッターにてGRskilifeのアカウントをフォロー頂き、ハッシュタグ「#GRskilifeのスキーボードに乗りたい」とつぶやいて頂いた方から抽選でそれぞれ1名様にご体験頂きます。
GR ski lifeツイッターアカウントは https://twitter.com/GRskilife ハッシュタグは #GRskilife までは半角、あとは全て全角です。 - 募集期間は 2014年12月25日~2015年1月4日 とします。
- 抽選日は2015年1月5日とし、発表は発送をもって代えさせて頂きます。
(応募に際し、通常版と限定版どちらかを選ぶことは出来ませんのでご了承ください) - 応募者からさらに10名にGR ski lifeのステッカーフルセット(1300円相当)を抽選の上、差し上げます。
- モニター期間は 2015年2月11日 までとします。期間終了後に簡単なアンケートをご記入の上、板とアンケートを着払いにてご返送頂きます。
(気に入って頂けた場合はそのままお渡ししたモニター商品を定価の10000円引きにてお買い上げ頂く事も出来ます) - 期日(1月13日までに)当選者ともし連絡が付けられなかった場合は、次点の方に権利が移ります。ご容赦下さい。
- 当選の際にビンディングの調整のためにワークショップチケットのご記入をお願い致しますのでご理解ください。
(ワークショップチケットについては⇒こちら) - 滑走に使用するその他すべての用具は利用者がご用意ください。
- モニター商品そのもの、またはモニター商品の利用中に負った怪我や事故は全て利用者の責任となりますのでご容赦下さい。
- 万が一転売、盗難、紛失があった場合は当選者に相応の保証を請求させて頂きます。
- 通常の滑走以外の目的で使用しないで下さい。また故意的な破損が認められた場合は定価にてお買い上げ頂きます。
- 以上をご理解頂いた上でご応募下さい。ご応募頂いた時点でこれらは全てご了承頂いたものとします。
なかなか乗れないGR板が乗れるチャンスですので、ぜひこの機会にお試しください!
下記ツイッターのツイートボタンからお気軽にご応募頂けます!
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スキーボードのブーツ
スキーボード(ファンスキー)のブーツは、普通のアルペンスキーのブーツが一般的です。過去にはスキーボード(ファンスキー)専用ブーツも存在していましたが、残念ながら現在では「専用」のブーツはほとんどありません。
では、どのようなブーツを選ぶべきでしょうか?
スキーボードに適しているブーツは、足首が使いやすく適度な硬さのブーツです。
スキーボードはその板を支える為に膝が重要で、膝を使うには足首が使いやすいブーツの方が楽に使えます。従来あったリアエントリーと呼ばれるブーツの後ろ側がガバっと開いて脱ぎ履きするタイプのブーツ、レンタルで良く見かけるあのブーツでは、足首が使いにくくスキーボードには少し向きません。
写真のように少し膝を曲げた状態が基本的な姿勢になりますが、ブーツの足首が曲げにくいと膝も曲げにくくなります。
これに適したブーツとしてお勧めするのが「フリーライド系」と呼ばれるブーツです。最近では「フリーライド系(もしくはフリースキー系)」と呼ばれるスキーブーツが多く出回るようになりました。これらのブーツはスキーのフリースタイル、パークで飛んだり構造物の上を滑ったり、従来のスキーの枠に当てはまらないスキーを言いますが、そういった意味ではスキーボードは同じくくりとなり、ブーツもフリーライド系のもので十分楽しむ事ができます。
もちろん、従来のスキーブーツでも楽しむことが出来ますが、新しく購入するのであれば「フリーライド系」を試さない手はありません。
ちなみに、スキーボードは他にも「スノーボードブーツ」や「テレマークブーツ」でも楽しむことが出来ます。これらはそれぞれ専用のビンディングが必要となり、操作も通常とは異なるので今回は説明を割愛しますが、スキーボードはいろいろなスタイルで楽しむことが出来ます。
さて、ではどのように選ぶのか?と言うと、スキーブーツ選びは難しいものです。足に合った物でないと足が痛くなったり滑りにくかったり、かといってどれが自分に合っているか?はわかりにくいものです。
スキーブーツ選びで重要なポイントは3つあります。
- 自分の足の実寸の長さ
- ブーツの硬さ
- 履き心地
まず 1.の自分の足の実寸の長さですが、多くの方がブーツを選ぶ際に、今履いている自分の靴のサイズを参考に選んでいると思います。
が、これが実はマズイのです。スキーブーツは実際の足の実寸を測って選ばなければ、ただただ痛かったりフィット感が良くないブーツを選んでしまいます。多くの場合ブーツを購入する時に店員の方にお願いすると、実寸を測って貰えます。その実寸を参考にブーツを選ぶと、多くの場合は靴のサイズよりも小さいブーツとなると思います。私の場合ですと普段の靴は27cmですが、スキーブーツは25.5cmです。足の実寸が25.2cmですので、これで十分です。
大きいブーツを選んでしまった場合、滑走中に足がブーツの中で動いてしまいます。これは滑りにくいだけでなく、靴擦れのようにこすれて痛める場合もあります。それを防ぐためにしっかり締めると、こんどは締めすぎとなってうっ血して痛かったり、締めすぎる事自体で痛かったりします。
適切な大きさであれば適切な強さでブーツを締められるので、結果痛みが出にくくなります。ブーツの性能も発揮されやすく、滑りやすくなります。
さらに最近のブーツは「ラスト幅」と言うものが示されています。おおむね90~100mmで示されていますが、これは足の一番広い所の幅です。
この幅も測れば、自分の足に合ったブーツがさらに選びやすくなります。このラスト幅が広いブーツは履き試した感じは広く快適に感じますが、しかしこの幅があまりに余裕があると、上の理由で足が左右に動いてしまい、結果親指の付け根や小指の付け根が痛んでしまうことに繋がるので注意です。
次に 2.のブーツの硬さですが、ブーツは「フレックスインデックス」と言うものでブーツの硬さを示しています。その数字は50~150で、一般のものでは80前後のものが主流となっています。
このフレックスインデックスは単純にフレックスとも言いますが、実はメーカーによってばらばらで決まった数値ではありません。が、目安として利用は出来ます。
この図はブーツのフレックスと硬さの関係を示したものです。スキーブーツには大きく「競技モデル」と「コンフォートモデル」があり、同じフレックスインデックスでもその硬さは違ったりします。多くの場合は競技モデルをえらばないのでコンフォートモデルになりますが、コンフォートモデル110だとしても、競技モデルでは硬さとして90くらい、となったりするので一概にフレックスで選べるか?と言うとさらにわかりにくくなります。フリーライド系ブーツの場合は多くがコンフォートモデルなので、130の硬いブーツを選んだとしても、それは競技用の130とは大きく異なる硬さなのです。
では実際どのように選ぶか?それは板を履かずにブーツを履いた状態でブーツをたわまして足首が曲がるかどうかで判断すると良い参考になります。これが全く動かなければ硬すぎ、簡単に動きすぎては柔らかすぎです。ぐっと力を込めて曲がるくらいがちょうどよいフレックスになりますし、もし買い替えで購入する場合は元々のブーツのフレックスを参考にすると良いです。
そして 3の履き心地は最も重要でしょう。いくら足に合っていてフレックスもちょうど良くても、履いて痛ければ意味がありません。一番はためし履きをしてしっかりとブーツを締めた状態で痛みや違和感が感じられない事。そして適度に足全体が締め付けられている事です。特に簡単にかかとが浮いてしまう場合は浮かないブーツを選んだ方が良いでしょう。
そして最近のブーツでも中級以上のものとなると「フォーミング」呼ばれる機能がついています。このフォーミングはインナーブーツ、ブーツの外側の硬い所ではなく内側の柔らかいブーツをインナーブーツと呼びますが、これを自分の足型に合わせて変形させることで足にぴったり合わせられる仕組みです。メーカーやブランドによって異なりますが、ブーツを熱して温めて足の形を取る「熱整形」と呼ばれるインナーであれば非常に高いフィット感を得られます。他にも履き続ける事で徐々に足に合っていくフォーミングインナーもあり、これは各メーカーや店員さんに問い合わせてください。
と、ここで一つ注意があるのですが、もし熱整形インナーのフォーミングをする場合、もし初めからインソールと呼ばれる中敷を交換するつもりがあるのならば、インソールを交換してフォーミングを行った方が良いです。熱整形フォーミングの場合熱を入れられる回数がほとんどの場合2~3回で、それ以上は整形できなくなります。インソールによっては足のあたる部分が変わるため、この点は注意しておきましょう。そして熱整形したブーツは絶対に過度に温めてはいけません。ブーツを履くときに冷えていると寒いし履きにくいのでヒーターなどで温める方も多いと思いますが、暖め過ぎるとそのせっかくのフォーミングが元に戻ってしまうからです。温めたとしても体温程度に留めましょう。
このように選んだとして、もう一つ悩ましい事があります。最近のブーツはいろいろ進化しているため、バックルが4つだったり3つだったり、またはワイヤーだったりと様々です。
これらはそれぞれ意味がありますが、軽さを重視するのであればバックルが少ない方が有利です。そして特に3バックルモデルでは足首が使いやすいものが多く、足首が細くてフィット感が得られない方には3バックルはおすすめできます。トータルのホールド感では4バックルが最も良いですが、足首を使いたいスキーボードでは4バックルでは硬く感じることもあります。
他に写真を用意できませんでしたが、ワイヤーバックルのモデルはその軽さに特徴があります。最終的には「好み」になりますが、このような特性も把握しておくと選びやすいでしょう。
さらに前傾角やカント調整などこだわるといろいろありますが、まずはこれらの点を押さえておけばきっと良いブーツに出会えると思います。もし良いブーツに出会えればそれだけでスキーは上手になりますし、快適に一日過ごせます。
以上、スキーボードにブーツについてですが、最後に最も重要なポイントを一つ。
必ず、試し履きをして購入しましょう。
ネットで買うと安かったりしますが、結局買い替えるよりもためし履きして買った方がずっと安く抑えられると思います。最終的にネットで買うにしても、一度履いて確認することをお勧めします。
ビンディングの違いについて
先に http://grskilife.net/?p=602 をご覧頂くと話が分かりやすくなります。
前回、ビンディングについて解説しましたが、今回はスキーボード(ファンスキー)のビンディングのそれぞれについて解説したいと思います。
「 種 類 」
プラビン(他と互換性のないプラスティック製の固定式ビンディング)
種類としては大きくこの3種に分かれます。それぞれについて簡単にメリット、デメリットを見ると
<プラビン>
・メリット 非常に軽量で、コストが安い。調整がしやすい
・デメリット 耐久性に難あり。メーカーによって仕様が異なり、取り換えが出来ない。外れない。
<4×4ビン>
・メリット 互換性があり、種類も豊富。ニーズによってビンディングを選べる
・デメリット 手に入りにくい。高価。外れない。
<解放ビン>
・メリット 転倒時に外れてくれるので怪我の程度を軽減できる。
・デメリット 重さ、価格。取り付けモデルの場合は選べない。
このようになります。
「 具 体 的 な 比 較 」
ではさらに違いを検討してみます
<プラビン>
参考板:エラン社(EXPO)
参考ビンディング:取り付け済み 固定式
板重量/ビンディング重量:不明(総重量1.4kg程度)
全体的に非常に軽く、コンパクトなプラビンなので板が90cm程度であっても長く見えます。しかしビンディングが独自のものののため、当時持っていたブーツではマッチングに問題がありビンディングを少し加工して使っていました。他のブランドのプラビンでも耐久性や強度に問題が出ることが多く、リリースから10年以上経つモデルでは自然劣化による破損の可能性も否めません。ビンディングが壊れた場合はほぼ換装が出来なくなるので、板も処分しなければならなくなります。
<4×4ビン>
参考板:GR ski life(ForFree)
参考ビンディング:固定式 樹脂製
板重量/ビンディング重量:990g/560g(計1550g)
3枚目写真は下のもの。数少ない樹脂製の4×4規格のビンディングで、プラビン並みの重量が最大の特徴。調整機構に若干難があるためハードな使い方には向かないが、締め付けにある程度バネによる遊びがあるため履きやすい。プラビン同様に劣化の問題や、ベースの金属やビスが錆びやすいという問題はあるものの、これ以上軽い4×4規格のものはない。現状では生産メーカーが無いために中古で稀に見つかる程度で手に入れるのはほぼ不可能。
<4×4ビン>
参考板:GR ski life(ForFree)
参考ビンディング:固定式 金属製
板重量/ビンディング重量:990g/700g(計1690g)
2,3枚目はそれぞれ上のもの。標準的な4×4規格の金属ビンディングで、これは最もベーシックなもののひとつです。樹脂製のものに比べてずいぶん重くはなりますが実際の使用感に問題はなく、プラビンや樹脂製に比べても高い剛性があるのでハードな使い方にも十分耐えることが出来ます。新品は手に入れにくいですが中古でも比較的手に入れやすく、質の良い中古品はオークションでも活発に取引されています。
<解放ビン>
参考板:GR ski life(SnowFairy)
参考ビンディング:フリーライド向けアルペンビンディング 樹脂/金属製
板重量/ビンディング重量:775g/765g(計1540g)
マーカー社のフリーライド向け超軽量ビンディング。ハードユースにも耐えられるスペックながら非常に軽く、今回の組み合わせであれば4×4ビンよりも軽くなる可能性もあります。値段がネックではありますがその性能は十分なもので、長板でも評価が高い。プラビンなどに比べて見た目が大きいのでスキーボードの軽さを見ることが出来ませんが、履いてみると重さを感じさせません。板の横に伸びている2本の棒は「ブレーキ」と言って、板が外れた際にどこかに流れていかないようにするためのものですが、スキーボードの場合幅が広いものが多いためブレーキ幅は確認して取り付けないと対応しない場合もあります。(このビンディングは問題なし)
<解放ビン>
参考板:GR ski life(WhiteLand -theFirstLimitedBlackEdition)
参考ビンディング:一般/レンタル向けアルペンビンディング 樹脂/金属製
板重量/ビンディング重量:880g/800g+210g※本体+レール重量(計1890g)
チロリア社のレールシステムを用いたビンディングで、最大の特徴は非常に簡単にサイズ調整が可能な事。このモデルは263mm~347mmと非常に幅の広い調整幅を持ち、かつ軽量である事から最近様々な板に採用されています。樹脂を多用することで軽量感がありつつもビンディングとしての機能は標準的なもので、スキーボードのビンディングとしても十分に使える革命的な一台。最軽量級とはいえ固定ビンの重さにはかなわないものの、しかしほぼ匹敵する軽さであるのでその使用感はほとんど大差がありません。
<解放ビン>
参考板:GR ski life(ForFree)
参考ビンディング:一般/レンタル向けアルペンビンディング 樹脂/金属製
板重量/ビンディング重量:990g/805g+200g※本体+レール重量(計1995g)
チロリアのレールシステムビンディングの最新機種。上記のモデルの上位機種となり、同じく広い調整幅(255mm~338mm)を持ちつつも、スキーボードにおけるレールシステムのデメリットである板への影響を最大限解決しています。レールシステムはそのレールそのものを板に固定しますが、そのレールが影響して板が本来よりも硬く感じられるようになってしまいます。このモデルではその点を改善したため、レールシステムでありながら板の性能も犠牲にしない非常に優秀なビンディングとなっています。
このように、ビンディングによってそれぞれ異なった特徴があります。GRでご紹介、用意しているビンディングは全て軽量かつスキーボードに適したビンディングで、その重量なども比較して頂ければさほど差はありません。ちなみに今回手元になく比較できませんでしたが、解放式のレンタル用のビンディングのモデルは総重量が片足あたり2kgを超えるものが多く、軽量感はやや損なわれてしまいます。
「 重 さ 」
スキーボードのビンディングほど「重さ」を気にするものは無いでしょう。では、その重さのメリット、デメリットは何なのでしょうか?
重いビンディング
・メリット 重さがあるので安定感があり、剛性がある。余計な振動や挙動を吸収して適切に保持、解放が行える
・デメリット 操作感が重く感じて鈍い。足が疲れる。滑る用途以外には向かない。
軽いビンディング
・メリット 操作感が軽く、足元だけで板が操作できる。グラウンドトリックがしやすい
・デメリット 無用な挙動や振動を拾いやすく、足元が安定しにくい。高速時に不安定感を感じる
このようになります。スキーボードは軽さと言う部分で特に進化したため、滑りだけでなく頻繁に足を上げたりすることがあります。そういった場合重いビンディングは邪魔にしかならず、軽いビンディングが要求されています。長板などでは元々足を上げて滑るシチュエーションもほとんどないためビンディング自体の重さはデメリットになりにくく、むしろ重い方が安定感があって上級には好まれる傾向にあります。
足元の安定感があるというのは他にも意味があり、怪我などにおいては軽いビンディングよりも重いビンディングの方が安全性が高い傾向にあります。足元だけで操作しがちな軽いビンディングでは足をひねってしまう誤操作が多く、特に板も短いスキーボードでは顕著とも言えます。その点がスキーヤーにとってスキーボードを良しとしない理由の一つでもありますが、しかし重いビンディングは滑走スピードが高速化しやすく扱うには技術も必要になるため、怪我と言う部分においては実は大きく差が出ることは意外とありません。
むしろ「軽さ」においてメリットを見出して進化してきたスキーボードにおいて、重いビンディングしか選べないのはデメリットでもあります。しかし最近のフリースタイルスキーブームのおかげで生み出された超軽量ビンディングの登場で、スキーボードの世界も大きく変わろうとしています。スキーボーダーもビンディングを選ぶ時代が来たと言っても過言ではありません。
「 そ の 他 に つ い て 」
固定ビン、解放ビンにはそれぞれ機能があります。
<固定ビン>
履いたら外れませんが、その目的が単純な事から非常に軽量なものが多くあります。ブーツの大きさに対応する調整機能を持つものがほとんどで、多くのブーツに対して合わせることが可能になっています。スキーボードの普通では想定しえない動きにも十分対応でき、怪我の懸念はありますが有志による技術の検討や熟達、指導によって怪我も昔に比べて少なくなってきている。
4×4規格のものであれば自由に付け替えが可能で、固定ビンを一台持っていれば様々な板に付け替えて履く事が出来る(ただし自分で取付、調整したものは全て自己責任です)
<解放ビン>
有事の際に外れて怪我のリスクを軽減させてくれる(怪我そのものを防ぐものではない)。非常に多くの種類があり、自分の目的に合わせたものを選べる。基本的に取り付けてしまった場合は再度取り外して取り付けることが難しく、スキーボードの場合固定ビンのように複数枚所有してビンディングだけ付け替えて使用するのが難しい。コスト的にも固定ビンよりも高額なため、複数所有する場合にはデメリットになるが、怪我のリスクを考えた場合にはやはり固定ビンよりは圧倒的に安心感がある。取り付け、調整には基本的に認定された技術者に依頼するのがほとんどで、知識と経験が無ければ自ら取り付け、調整するのは避けた方が良い(この場合も自己責任になります)。
ビンディングにおいて最大の機能は「ブーツと板を繋ぐ」ことで、少なくとも怪我のリスクや今後を考えた時にはスキーボードであっても解放ビンを私は勧めます。固定ビンを選ぶ場合は何よりも「解放しない」という事を念頭に置いて、怪我などのリスクも含めて責任が取れる場合でないと安易におすすめすることは出来ません。
いずれにしてもその使用に関しては利用者の自由です。これまで選択する機会が無かったスキーボードのビンディングは、今、解放ビンも加えて多くのものを選べる時代になりました。今回違いという事で解説させて頂きましたが、こういった違いに対する知識も皆さんで共有して、よりスキーボードが発展していったらと願っています。
ビンディングによってスキーボードは新しい時代に突入しました。現時点で解放ビンが選べるのはGR板しかありませんが、この先いろいろなアイデアで楽しい板が生まれ、それぞれのユーザーが楽しんで選択してスキーボードを楽しんでもらえたらと思います。
スキーボードのビンディングとは?
スキーボードのビンディング?と言うと、ほとんどの方が「元々ついてるものでしょ?」と答えます。これは昔、ファンスキーやショートスキーと呼ばれていた頃からなぜか短い板には簡易的なビンディングがセットになっていて、そのイメージは今でもあります。
写真はエラン社のスキーボードで、簡易的なプラスティック製のビンディングがついています。このプラスティック製の固定式のビンディングは俗に「プラビン」と呼ばれ、かつてのショートスキーやファンスキーからスキーボードに至るまでに大きく影響を与えたビンディングです。
では、なでスキーボードには普通のビンディングがついているものが少なかったのか?これには非常に複雑な大人の事情もあるのですが、簡単に言えば
「普通のビンディングを取り付ける義務が無かったから」
です。これはISO規格やドイツ工業規格などにも及ぶ話なので割愛しますが、いろいろあって各メーカーがプラビンを選択して販売していました。
その頃、一部のメーカーは「4×4」(フォーバイフォーと読む)と言う規格に着目し、板とビンディングを別に用意し始めました。これらはハイパフォーマンスなものが多く、上級のスキーボーダーに多く受け入れられました。
これらはGRのForFreeのものですが、スノーボードと同じような4つの穴をビンディング取付位置に用意し(インサートホール)、金属製などの固定式のビンディングをボルトで固定できるようになっています。写真3枚目のように異なるビンディングでも規格が同じものなら自由に選べるため、好みで組み合わせを自由に変えられます。
この4×4固定ビンディングは重量こそ従来のプラビンに劣るものの、その剛性や強度、取り換えがほぼできないプラビンと違い換装可能な点などが多く受け入れられ、今でも多くのスキーボーダーが利用しています。
しかし、残念ながら4×4固定ビンディングは現在なかなか手に入れることが出来ないものになっています。それは「簡単に外れない」と言う特徴がケガを重症化させやすいなど、一般に受け入れられなくなったからです。現在では自己責任において利用されていますが、新品を手に入れることは非常に難しくなっています。
これに代わって近年台頭し始めたのがレンタルで使われる調整幅の広い解放式ビンディング(一般にはアルペンビンディングと言いますが、ここでは固定式と区別するため解放式とします)です。このビンディングは一般ではレンタルビンと呼ばれていますが、その解放機能と調整幅のメリットはあるのものの、硬さや重量でスキーボードに与えるデメリットは多く、上級者にはなかなか選ばれないものになっています。板のコストパフォーマンスもあまり良くなく、過去の4×4規格の上級モデルに匹敵するものはありませんでした。
そこでGRが用意したのが「解放式でも取り付けられる板」なのです。この仕組みはこれまでになかった新しい発想の板です。
GR板はそのコンセプトとして「ユーザーが自由にビンディングを選べる」というものがあります。一部のモデルを除いてですが、固定ビンディングの取り付けられる4×4規格のインサートホールと、解放ビンディングが取り付けられる板内部の補強、ビンディングプレートが内蔵されています。これによって規格に準じた固定、解放のビンディングが取り付けられ、ユーザーの好みによって選ぶことが出来るようになりました。(ただし自分で取付、調整を行った場合は全て自己責任となります。ご容赦下さい)
このように解放式のビンディングも取り付けできます。これだけでなく始めから取り付けたモデルも用意しています。
これらのビンディングは非常に軽く、スキーボードの特徴を生かしつつ、解放ビンディングが使えます。
ビンディングそれぞれについては次の機会に説明しますが、最近ではGRでも採用しているLRX9.0が標準取付されている板も出始め、スキーボードは次の段階に移行しつつあるとも言えます。そしてこれまで4×4固定ビンディングしか選べなかった中級以上のユーザーに一つ選択肢を提供できたのも、新しい段階に移行するきっかけになるのでは?と思っています。
最後は手前味噌になってしまいましたが、ビンディングについての説明でした。
チロリアSLR10のセット販売とSLRについて
昨日よりチロリアSLR10のセット販売を開始しました。FF,FS共に取り付け料込で56052円(税込)です。
このSLRと言うビンディングはWhiteLandに採用しているLRX9.0の上位進化版で、LRXのデメリットを最大限解決しているのが特徴です。
LRXやSLRはチロリア独自の「レールシステム」を採用しています。このレールシステムの恩恵は大きく、ブーツやソールサイズが大きく変わっても非常に簡単に調整でき、従来のこういった調整幅の大きいビンディングにありがちだった重量が重くなる問題を解決したばかりか、他のビンディングに比べてもトップクラスの軽さを誇ります。
具体的に、従来型の一般のアルペンビンディングの重量が片足あたり900g~1kg、調整幅の大きいいわゆる「レンタルビンディング」と呼ばれるものでは1kgを大きく超えるものも多く、その構造が非常に硬い為に板のたわみを阻害して滑りに影響を及ぼすものが多く有りました。
しかしこれらを解決したのがチロリアのレールシステムで、ライトレールを採用したLRXではその片足重量が800gと群を抜いて軽く、そしてレンタルビンディング並みの調整幅と調整のしやすさを持った革命的なビンディングです。
見た目にもレンタルっぽくないデザインで、GRではWhiteLandに採用しました。
しかしデメリットもあります。LRXはレールシステムのレールを板に取り付けますが、そのレールがスキーボードでは少なからず硬さに影響を及ぼすのです。WhiteLandではLRX専用という事で板の構造に手を加えてその点を解決していますが、様々なビンディングを取り付ける事を想定したForFreeやSnowFairyは元々中、上級者向けの為に板が硬く、そこにLRXを合わせると余計に板が硬く感じてしまう事がありました。
そこでSLRです。SLRはLRXとはまた違った「スーパーライトレール」を採用しており、同じ仕組みながらレールの硬さが最大限影響を及ぼさない構造となっています。
見た目もほぼ同じ、軽さも片足あたりたった5g重いだけでなく、ソール長が255~338mmと幅広く対応しています。(*LRXの同サイズレール239~323mmより一般向け)
ブーツのサイズが大きく変わらないのであれば同じ値段となるマーカーのスクワイヤーをお勧めしますが、そうでない場合はSLRはおすすめできる1台です。FFやSFで幅広い調整幅を持たせたい場合は、SLRと言う選択肢もありだと思います。
なお、FFとSFのSLR仕様に関しては試乗板をご用意しています。試乗会の際にぜひお試し頂ければと思います。また、SLR単品での販売(税込23460円)も行っておりますのでご入用の際にはご用命頂ければと思います。