板のセット位置のお話

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スキーボードに限らずスキーの板には「セット位置」と言うのがあるのをご存じでしょうか?

セット位置とは、板に対してブーツをどの位置で固定するか?と言うもので、これはどんな板、ブーツにも目印がきちんと用意されています。

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上の写真を見て頂くと、板、ブーツそれぞれに線が引かれているのが分かると思います。このブーツ側の線を「ブーツセンター」板の線を「センターマーク」と言い、固定する際の目安にします。

※これらの「ブーツセンター」「センターマーク」はメーカー、モデルによって記載方法は異なります。わからない場合はそれぞれ販売店かメーカにお問い合わせください。

板にブーツを取り付ける際、このセット位置は非常に重要な意味があります。これを間違うと板の性能を発揮できないばかりか、余計に滑りにくくなる場合もあります。


スキーボードの場合、特に固定ビンディングであればこのセット位置は一部のモデルを除いて自由自在です。自分の好みでビンディングの固定位置を調整するだけで簡単に変えられます。また、解放式のモデルの場合でも自己責任にはなりますがチロリアのライトレールモデルなどは簡単に変えることができます。

※解放式ビンディングを調整する場合は原則認定技術者にご依頼ください。使用者自身が調整した場合はどのような場合でもすべてにおいて自己責任となります。

また、取付後に調整が出来ないモデルであっても取り付け時にセット位置の調整を依頼することである程度調整することが出来ます。この時に出てくる言葉が「セットフロント」「セットバック」と言う言葉です。

そもそも、この「センターマーク」とは何なのでしょうか?

センターマークはメーカーが推奨するセット位置で、この位置に合わせてブーツセンターを調整して取り付けると十分板の性能を発揮できますよ!と言う目安として表示されているものです。しかしユーザーそれぞれに好みがあり、ある程度この位置を中心に前後して取り付ける場合も多々あります。

たとえば通常滑走よりもパウダー滑走を重視して使いたいユーザーは「セットバック」を好みます。そしてパークやジブなどで楽しんだり、フェイキーなどを楽しむ方では「セットフロント」を好みます。これらは傾向としてですが、それぞれ意味があってセット位置を変えています。

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「セットバック」はパウダー以外でも、乗っていて前が短く不安定に感じる場合や、後ろが長くて引っかかる感覚があるときなどに効果があります。特にテールが引っかかると曲がりにくくなるパウダーでの滑走ではコントロール性を向上させる意味でもセットバックは有用です。しかしセットバックをすると板の反応性は緩慢になり、クイックでレスポンスの良い操作感は失われていきます

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「セットフロント」はセットバックの逆、よりクイックに板を回す事が多いパークではしばしば採用されます。また後ろ向きでの滑走でもセットフロントは効果があり、どちらかと言えばフリースタイルを好むユーザーにはセットフロントの方が扱いやすく感じると思います。しかし通常滑走では扱いにくさが目立ってしまいがちで、不安定でテールが長く引っかかる感覚を受けてしまう事もあります。

このような一長一短があるセット位置ですので、安易に変えると逆効果になる事もあります。ユーザーの利用環境に応じて調整すべきで、わからない場合はブーツセンターはセンターマークに合わせるのが最もベターなセット位置になると思います。

しかし、その位置では少し乗りにくい?と思うのであれば、調整することで板の性能が激変して楽しくなる事もあります。テールが引っかかる感覚や板が不安定に感じるのであればセットバック、レスポンスやフェイキーを重視するならばセットフロントを行うと乗りやすくなる場合があるでしょう。

実際、セット位置を変える場合は5mmくらいから動かして確かめます。どんなに大きく動かしても3cm程度まで、それ以上は動かしてもデメリットが目立ちすぎてしまうので、避けた方が良いでしょう。たとえ1cmでもその影響は大きいもので、ずいぶん乗り味や板の雰囲気が変わって感じられると思います。そして乗ってみて快適に感じられる位置が見つかれば、それはつまり板がより自分に合う板になったと言っても良いでしょう。

最後に、セット位置は基本的には変える必要がありません。ですが、もし不具合を感じるのであればこういった方法でも調整が出来ますので、一つの情報として知っておくとより自分に合った板探しの手助けになるでしょう。

そしてあまりセット位置を気にせず今まで固定ビンディングで使用していたとすれば、一度見直してみるのも良いと思います。固定ビンディングの場合ブーツセンターが全く合ってない場合が多いので調整して適切な位置にすると、今まで使ってた板が劇的に滑りやすくなるなんてこともあったりしますよ!

 


補足 ドセンターとそのセット位置について

いわゆる「ドセンター」と言うものがあります。これは板の前後に対する中心にセンターマークを設定した板で、フリーライド系の長板や昔のスキーボード(ファンスキー)に多くみられるセット位置です。ここからさらに板の前後のコンストラクションも同じにして作った板は「リアルツインチップ」などのような呼ばれ方をしています。

これらの板の目的はズバリ「フリーライド」であり、パークでの使用を前提に開発されています。こういったモデルでは初めからドセンターを前提に作っているので良いのですが、これらの板ではない通常のモデルでセットフロントを行ってわざわざドセンターにセットするのはあまりお勧めできません。上記のデメリットが目立つばかりではなく、板としての性能が発揮できない非常に使いにくい板になってしまうからです。巷では「ドセンター=ハイパフォーマンス」のようなイメージがありますが全くそれは意味が違う事で、ドセンターの板は少なからず滑走性などを犠牲にしてその位置で設計した結果、普通の板よりもパークでのパフォーマンスが特化されたものになっているのです。

センターセットにした方がパークでのパフォーマンスが有利になるかと思いきや、板の性能が発揮できない板にしてしまっては宝の持ち腐れになります。たとえばGRのForFreeをドセンターにセットしたとしたら、それはそれはテールが引っかかって不安定で大変な板になるでしょう。セット位置を決める際にはドセンターは考えず、少しずつ試しながら決めるのをお勧めします。

新規モデルの予定価格とモニター販売につきまして

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 お待たせ致しました!今季発表予定の3機種についての情報です。

※二次募集を開始しました!

(予約ページへはこのページ最下部から)

<予定小売価格>

 まずこれらは2015シーズンにプレ販売としてモニター販売をさせて頂きます。その後2016シーズンより本格的に販売をさせて頂くモデルとなりますが、予定小売価格は以下のようになっております。

OverSize (105cm 125-105-122) ¥38,000- (板のみ) 税込¥41,040-

http://grskilife.net/item/oversize/

Lovin’NEW (90cm 120-100-117) ¥38,000- (板のみ) 税込¥41,040-

http://grskilife.net/item/lovinnew/

NoName (125cm 113-79-105) ¥54,000- (ビンディングセットモデル(チロリアLRX9.0)) 税込¥58,320-

http://grskilife.net/item/noname/

※これらは予定価格であり、変更となる場合があります。ご了承下さい。


<モニター販売について>

 今季(2015年)これらのモデルを特別にそれぞれ30台づつ、プレ販売としてモニター販売を行います。特別販売価格は以下のとおりです。

OverSize ¥38,000- → ¥30,000-(板のみ) 税込¥32,400-

Lovin’NEW ¥38,000- → ¥30,000-(板のみ) 税込¥32,400-

NoName ¥54,000- →¥43,000-(ビンディングセットモデル(LRX9.0)) 税込¥46,440-

さらに、予約前払いにてご購入の場合にはさらにお買い得になります。

予約前払い割引 OS,LV→¥30,000(税込) NN→¥43,000(税込)

また、予約にてご購入いただけたすべての方にステッカーセットをプレゼント致します。

これらをお買い上げいただき、モニターとしてご感想など頂けた方には「GR特製Tシャツ(フリーサイズ)」をお礼として進呈させて頂きます。(2016年2月ごろ)

<注意>モニター販売ではなく正規の販売の場合、これらの特典はありませんのでご了承下さい。また、モニター販売は今回限りの特別販売となりますのでご了承下さい。

<モニター販売の予約受付について>

予約を以下のとおりに行います。

一次予約 6月25日~7月31日

二次予約 8月18日~9月30日

※予約方法などは改めてご案内致します。

商品の発送

11月以降(予定)

前金払いにつきまして

今回注文時に半額、もしくは全額の前金をお支払頂けた場合には特別に税抜き価格にて販売を行います(OSの場合¥15,000もしくは¥30,000)。さらにビンディングも合わせてご注文の場合は通常価格以下の特別な価格で販売させて頂きます。

※これらはキャンセルとなる場合は全額返金致します。ただし返金は即座ではなく11月中となりますのでご了承下さい。

※ビンディングを注文された場合、取寄せとなるため注文とお振込み後のキャンセルは出来ません。板代金のみ全額返金致しますが、ビンディングはお買取り頂きます。また、取り付け後は板の代金を含めてキャンセルは出来ませんのでご承知下さい。

–<ビンディングについて>–

ビンディングセットモデルであるNoName以外の2機種、OS,LVについて、ビンディングセット販売の対応が可能です。ただしご注文については秋頃にご案内の後に改めてご注文頂き、板本体代金に合わせてビンディング代を先にお振込み頂きます。お振込みの確認の後にお取り寄せと取り付け、順次配送を行いますので少々お時間を頂くことにもなりますがご了承下さい。(前払いを行って頂いている場合は特別価格となります。前払いのない場合は通常価格となります。)

なお対応予定ビンディングは以下のとおりです。

マーカー社

SQUIRE11 GRIFFON13

チロリア社

LRX9.0* SX10* SLR10* AAATACK11 AAATACK12 AAATACK13

※ブレーキ幅に事情があり*印のモデルでは取り付けができない、もしくは加工が必要になる場合があります

※モデルによっては別途ワイドスキー対応ブレーキが必要となる場合があります。

モニター販売のお問い合わせはサイト上部の「お問い合わせフォーム」よりお願い致します。(「モニター販売について」とお書き添えください)

 

それぞれ30台のみと非常に少ないですが、GRの新しいスキーボードにいち早く乗れるまたとない機会です。今回限りの特別価格ですので、ぜひご検討をお願い致します。

 

予約ページはこちらから⇒<こちら>

新型スキーボード開発裏話

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先日2015年にリリースする新型3機種の発表を行いましたが、今回はその裏話をしてみようかと思います。

<OverSizeは最初から予定していたモデルではなかった?>

実は今回の105cmの開発を始めるにあたって、実は別の2機種の開発を行う予定で考えていました。しかし開発を進める中で「これはこれでベーシックなモデルとして良いなぁ」ということで、今回リリースとなりました。ちなみにその別の2機種はこのOSをベースにさらに開発する予定です。

<なんで105?>

110では長すぎる。かといって100ではわかりにくい。99cmのイメージを打破するのにちょうど適当だと考えたのが105cmでした。さらにセンター幅も同じく105mmにすることでイメージを持ちやすくもしています。この長さと安定感は、案外今までになかったものです。

<Lovin’NEWってあの曲…>

ですね。というか、この板のデザインはかなり難しく大変でした。女性向けのモデルということでできるだけ透明感のあるイメージだったのですが、その時に頭の中に流れていたのが「あの曲」で、そこからインスピレーションを得て名づけてます。

<というか、LVってなんか独特な形ですよね>

もともとOSと同じ開発コンセプトで、OSと同じ構造を持っています。が、なぜテールが平らになっているかというと、それは90cmの中でできるだけ板を長く伸ばしたかったのと、立てかけたときに倒れにくいようにするためです。実際これが構造として役に立っていて、LVは立てかけやすくなっています。

<TwoStepTipってなんですか>

OS,LVに実装した新しい形状で、簡単に言うと単一な曲線でチップのそり上がりが上がっておらず、2つの曲線で反りができています。これはいわゆる「ロッカー形状」に近いものですがこれは浮力のためのものではなくて、エッジの引っ掛かりを軽減させる革新的な形状です。スキボが先天的にもつ「エッジが引っ掛かりやすい」というデメリットを構造で解決させる新しいアイデアです。この仕様は今後もさらに開発を進めていく予定です。

<NoNameはなんか不思議な板ですが>

この板はいろんな意味で意欲作なんですが、まずロングサイズスキーボードというスキーボードは短いだけというイメージを打破したくて125cmを選びました。さらにFFよりももっと滑走性能を高めつつ、スキボらしい動きを可能にするちょうど良い長さで、かつ独特なデザインにしています。特にシンプルでありながら目を引くデザインということでデザインにはかなり力を入れていますが、これはNNが特定のユーザーをターゲットにしていない、滑りも使い方も決まっていないというコンセプトに合わせるべくデザインしました。

<モニター販売をなぜする?>

これには二つの意味があって、まずはこの3機種がまったく新しい提案の板であるためにまずは試して頂きたいということ。そして今季のモニター評価を通じてさらにブラッシュアップを行いたい意味もあります。GRの板はユーザーの意見が作り出す板です。そういう意味でもこの取り組みは今後の開発でも同じようにやっていきたいと思っています。ちなみにGR板はすべてのモデルが単年でデザインが変わったりはしないので、じっくり待って買うことももちろんできます。

新型スキーボード販売開始!

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お待たせしました!GRから全く新しい3機種のスキーボードの販売を開始いたします。

これらの板は当GRのオンラインショップ、また店頭では東京神田の「スキーショップベイル」様にて販売いたします。

※今季この3機種についてはそれぞれのご用意数が20台となっております。数は少ないですので完売の際にはご容赦願います。

新型3機種についてはこちらもよかったらご覧ください <昨年プレ販売時の紹介はこちら>


 

マルチユーススキーボード「OverSize(オーバーサイズ)

OverSize OverSize(以下OS)は全く新しい設計の新しいスキーボードです。

まずその特徴は大きさ!全長105cmのたっぷりした長さにウエスト幅105mmの太さは、これまでにあったスキーボードと比べても見た目からして大きさを感じます。このOSは「マルチユース」をコンセプトに開発されており、多くのシチュエーションを苦手としません。

一般のものよりも長さがあるため滑走時の安定性は群を抜きます。様々なゲレンデコンデションでも苦にならず、さらに構造として「TwoStepTip」を持つこの板は、従来のスキーボードが苦手としていた悪雪や新雪でも高い滑走性を持っています。

また、GRの板として圧倒的な太さは浮力の恩恵だけでなく、パークライディングでも良好な安定性を発揮します。しかし太すぎることはなく、GRが大事にしている「滑走の気持ちよさ」を犠牲にはしていません。長さと太さの安定感に、GRならではの滑走性。さらにオールマイティな汎用性を持ったこのOSは、まさに「マルチユース」というのにふさわしい一台となっています。

しかし、長さや太さから「取り回しが良くないのでは?」と想像する方もいると思います。しかしこのOSは見た目から想像できないくらい取り回しに優れています。太いと悪くなる板の反応性も犠牲にせず、その使い勝手はスキーボードそのもののものです。

さらにこのOSでは「ずらしやすさ」を追求しました。ずらしやすさは板をスライドさせたときのコントロールのしやすさです。従来のスキーボードでは構造上どうしてもエッジが強く感じられて、ともすれば引っかかるような乗り味のものもあります。ブレーキやトリックの際にはこのひっかかりが危険だったり気になる方もあったと思います。また滑走でもずれにくいことからターンコントロールがしにくく、板が左右に震えることもあります。それをOSでは解決し、より安定して板をコントロールさせるために「ずらしやすい」事を追求しました。となると「ブレーキがしにくい?」と考える方もいらっしゃると思いますがそこはGR板です。エッジはもちろん使いやすく、しっかりとかけられます。

ビンディングに関しては従来の4×4インサートに加え、一般の解放式ビンディングの取り付けも可能にしています(※一部ビンディングではブレーキ幅等の仕様により取り付けができないものもあります)。さらにこの板はノーマルポジションから1~2cmセットフロントすることで、より好みの滑りに適した乗り味を求めることが出来ます。専用チューンの施されたOSはそのままでも十分楽しめる板ですが、さらにセット位置やチューンを吟味することで、多くのユーザーに満足していただけるスキーボードとなっています。

一台でいろいろ楽しむならば…このOSはかなり魅力的な一台となるはずです。


女性向けの新型「Lovin’NEW(ラヴィンニュー)

LovinNewかつては90cmで幅が広い板もありました。しかし今は非常に手に入れにくく、特に女性や体格の小さい方に向けての板は新型としてはほとんど手に入りません。

そこでGRが送り出すのがこのLovin’NEW(以下LV)です。LVはOSと同じコンセプトで開発されており、90cmのショートレングスでありながらマルチユースを実現した新しい板です。幅も100mmとたっぷりあり、90cmとは思えない安定感を誇ります。

OSと同じコンセプトですからもちろん走破性もこれまでのものと一線を画します。特に女性や小柄な方に向けて専用設計されているため、そういった方でも取り回しが良いように工夫されています。90cmの幅の広い板では構造上どうしても不安定な板もありました。そこで「しっかりした90cmのスキーボード」を念頭に、さらに使い勝手も追求したのがこのLVです。

LVはゆっくりとした速度で楽しむことに向いています。安定感がありずらしのコントロールもしやすいことから、99cm板などで疲れを感じていた女性や小柄な方には特に乗りやすさを感じていただけると思います。(※専用設計としたため体格の良い方や大柄な男性などでは板の特性上向かないことがあります。ご注意下さい)

さらに最近はやりのパークでの乗り味もLVは良好です。女性でもパークユーザーは増えていますので、そういった方にもおすすめの一台となります。

OSと同じくビンディングは4×4、もしくは解放式ビンディングを取り付けることが出来ます。(※板の長さの仕様上、適さないビンディングがございます。また、ブーツのサイズによっても適さない場合がございますのでご注意ください)。90cmとして解放式も選べる板は世界でもまれな存在です。

デザインに関しても女性向けのシンプルなデザインを採用しました。しかしほかにないデザインで、ゲレンデでのアピール感もあるでしょう。そしてこのLVだけの特別な仕様として、LVではテール部をあえて平らに加工しています。このことで板を立てかけても横に倒れにくくなっています。

なつかしさを感じさせつつ今までになかった板。それがこの「Lovin’NEW」なのです。


ロングサイズスキーボードの圧倒的な滑走性能「NoName(ノーネーム)

NoName名前が「名無し」というこの板は、「ロングサイズスキーボード」にカテゴリーされる全く新しい板です。125cmはOSよりも長く、ともすれば普通の長板にすら感じます。

しかし「NoName(以下NN)」はスキーボードです。スキーボード専門ブランドが送り出す板がスキーボードではないはずはありません。

このNNは圧倒的な滑走性能を誇ります。その滑走性能はこれまでのあらゆるスキーボードの範疇を超えます。積極的にゲレンデを滑って楽しみたい方にとっても待ち望んだ一台となるはずです。構造も吟味され、GR板として初めてウッドコアを採用し、そのトップシートも傷のつきにくい新しい素材のものを採用しています。ウッドコアならではの滑らかな乗り味はただ滑るだけでも楽しくなれます。ですがNNはスキーボード、トリックライディングも容易にこなします。

スキーボードの持ち味である「取り回しやすさ」を犠牲にすることなく「滑走性」を追求した結果、NNは125cmの長さをもって生み出されました。

そしてその高い滑走性は、パークでのエアートリックでも高い能力を発揮します。エントリー、ランディングどちらもこれまでのスキーボードでは得られなかったレベルのポテンシャルがあります。さらに長さがありますからエアトリックでのグラブも映えます。NNでは初めから軽量感があり使い勝手で優秀な解放式のビンディングを採用しています。万が一の場合でも解放式ですので、トラブルを最低限緩和させてくれます。

そんなNNですが、デザインは非常にシンプルです白くデジタルな印象。何色にもなんにでも染まりそうな不思議なデザインです。このNNがなぜ「名無し」になったかのか。それはこの板がこれまでにない新しいもので、一体どういった使い方が最も楽しめるか、どういった印象でこの板を読んでもらえるか、それを初めから印象付けないためのデザイン、名前になっています。

NNをどう扱うか、それはユーザー次第なのです。


これらの3機種をご用意いたしました。GRがお届けする全く新しい3機種をぜひよろしくお願いいたします。

 

新型スキーボードを販売致します

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Whiteland_R Whiteland_B_R SnowFairy_R いよいよForFree_R今季より、GRskilifeのスキーボードが一般販売されます!

GRが誇るフラグシップ。自由を与える「ForFree」

はじめやすく、親しみやすい。ビンディングコンプリートモデル「WhiteLand」

ショートレングスながら高いスペックで楽しめる「SnowFairy」

限定モデルとなる「WhiteLand -the firstlimitedBlackEdition-」

この4機種が満を持して販売されます。

 

そして、今季…今までにないスキーボードが誕生します。

 

スキーボードと言えば99cmというイメージを大きく打ち破る「105cm」のスキーボード

OverSize

 

 

 

「OverSize」

オーバーサイズの名のごとく長さのイメージを打ち破り、太さもこれまでにない太さ(105mm)。一般のスキーボードに比べて一回り以上大きなオーバーサイズは、今までない滑走感を感じさせてくれます。太さ、長さが与える安定感がありながらもスキーボードらしい軽快感もあり、様々なシチュエーションで高いパフォーマンスを発揮します。

 

それだけではなく、短いからこその太い板

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「Lovin’NEW」

おもにレディース向けの太い板は、これまでほとんど存在していませんでした。このラヴィンニューは新しさを感じさせる女性向けの一台です。90cmの短さながら安定感のある太さがショートレングススキーボードのイメージを大きく変えます。そしてその独特な形状は、特別な意味のある形状になっています。

 

 

 

さらに、短いということがスキーボードというイメージを大きく打ち破るロングサイズスキーボードが

NoName

 

 

 

 

「NoName」

このノーネームは125cmという非常に長いスキーボードです。ミッドスキー?いえいえ、長いスキーボードなのです。使う人によってその印象や目的が変わる柔軟さを持つこの特別なモデルは、125cmからくる圧倒的なカービング性能もさることながら、スキーボードとも言える取り回しやすさも実現しています。このモデルをどのように呼び表現するかは使い手次第です。

 

簡単にではありますが、この6種7台が2015年シーズンのGRスキーボードのラインナップとなります。なお、新規3機種に関しては「特別モニター販売」としてそれぞれ30台のみを特別価格で販売させて頂きます。

 

ベーシックなFFやSF、エントリー向けのWLに加えて今までにないサイズのOS、LV、NNは、これからのスキーボードシーンを大きく変えるモデルとなります。

スキーボード専門ブランドだからこそ用意できたこれらを、ぜひよろしくお願い致します。

 

なお、それぞれの販売につきましては店舗様のご案内を含めて準備出来次第ご案内させて頂きます。

特別モニター販売となる3機種は近日中に販売に先駆けての予約を受け付けさせて頂きますので、よろしくお願い致します。

新モデル3機種の紹介

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先日プレ販売を開始しましたGRがお贈りする新モデル3機種。どれも「今までにない」と言うキーワードの元に開発された、まったく新しいスキーボードです。

この3機種は今シーズンではなく来シーズンに正式リリースされる板ですが、わずかですが今季、プレ販売という事で販売を行います。

 

とはいえ、何が新しいの?って話ですね。

DSC02236_R共通しての新しさはそのサイズです。これまでのスキーボードは99cmがほとんどで、現在手に入るものの多くがこのサイズです。そしてビンディングが解放式のものであればそのくびれたセンターの幅が90cmが多く、これはGR板で言うForFreeなどが当てはまります。

この99cm、センター幅90と言うのは非常に使い勝手が良く汎用性が優れていて、スキボらしい最適な長さであったので10年以上もこれらのサイズが採用されていました。しかし遊び方の多様化によってこのサイズでは物足りない!と言うユーザーも増えてきていました。

具体的には現在、長板などでも太めの板はトレンドとなっています。特にフリースキーと言うジャンルにおいては幅は需要なものであり、まるでサーフボードのような板まで提案されています。

ではスキボは?となると、幅の広い板はほとんどありません。そして半ば暗黙となっていた99cmと言う長さの束縛。これらから解放して新しい板を作るなら?と言う所の、GRとしての提案がこれらの3機種なのです。


 

「新しい長さ、新しい幅! -OverSize- 」

拡大。モデル名にもなったこのOverSizeは長さ105cm、センター幅105mmと言うこれまでの板よりも一回り大きなスキーボードです。比較すると一目瞭然、見た目がまったく異なります。

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長く太く大きくなったOverSizeは、遊び方も拡大してくれます。太さから得られる安定性はこれまでにないもので、さらにその操作感は「ずらして滑る」ことに長けています。エッジを使った滑りよりも面を使った滑りが、これまでの遊びの枠から大きく拡大して、様々なシチュエーションを楽しくしてくれます。

もちろんGR板の特徴である滑走性は妥協していません。ずれとグリップをコントロールしやすい特性なので、低速でも高速でも楽しめる板に仕上がっています。


 

「これまでになかった新しさを従来と融合 -Lovin’NEW- 」

OverSizeと同じコンセプトながらこちらは90cmと言う短さで生み出された新しいモデルです。センター100mmは十分な太さでOverSizeと同じ使用感を持ちながら、体格の小さい方や女性に向けて開発された板です。

DSC02239_Fotor_R90cmはスキーボードでも短く、不安定に感じられやすい板です。この板はOverSizeのコンセプトを持ちながら、従来の90cmのスキーボードのネガティブ感の解決と言うもう一つのテーマが作り出しました。

90cmモデルにある軽く軽快な操作感を維持しつつ、安定感と汎用性を向上させる。従来にあったものを進化させ、新しいコンセプトを注ぎ込んだLovin’NEWは、そのネーミングにも意味が込められてます。往年の名曲は、多くのアーティストによってその時代にマッチするよう新しく進化して表現されてきました。そしてそこに加えられた新しさが好んで受け入れられるよう願ったのがこのLovin’NEWと言うモデル名になっています。

この板は低速でゆっくりゆったり楽しむのを得意としています。もちろん滑走も自信がありますが、真骨頂はその幅が生み出す汎用性です。今のスキーシーンにもマッチしたこの新しい板は、99cmでは重さや長さを感じてしまっていた方に特にお勧めできる特別な一台です。

※大柄な方でももちろん履けますが、長さの仕様によって本来の性能が発揮できない場合があります。あらかじめご承知下さい。


 

「まったく新しい提案。ロングサイズスキーボード -NoName- 」DSC02270_Fotor_R

まず目を引くのがその長さ。従来ものもよりも明らかに長い125cmは、スキーボードと名乗って良い板なのでしょうか?

この板はスキーボードが短いという固定概念を打ち破る新しい「ロングサイズスキーボード」なのです。

そもそもスキーボードの定義はその長さでしたが、それだけではありません。ゲレンデを自由に思うがままに楽しめるのも、スキーボードの大きな特徴です。そんな取り回しの良さを持ちつつ、長さを伸ばしたのがこのNoNameなのです。

長さゆえにその滑走性は群を抜いています。圧倒的とも言ってよい気持ち良い滑走感は、多くの方にカービングを楽しめ、かつスキボらしい動きも楽しむことが出来ます。荒れたゲレンデを苦手とするスキーボードでも、この125cmは苦になりません。このNoNameはこれからスキーボードを楽しみたい方にもお勧めできますが、長板で楽しんでいる方にもお勧めできる入口の広い癖のないスキーボードです。

独特なのは長さだけでなくデザインと名称。新しい提案だからこそ”名前も無く色も染まっていない”不思議なデザインですが、乗って味わうその特徴は乗った本人が感じ取ったままにこの板は表現してくれます。フリー滑走でもトリックでも、この板を今後どのように表現して呼んでいくかはあなた次第なのです。


このように、DSC02355_Fotor_R新しい3機種はそれぞれがまったく異なる目的で生み出されています。「何に乗っても一緒」と思われていたスキーボードですが、これらの板に乗って頂ければ「違い」は歴然と感じられますし、同時にスキーボードの新しさを感じる事が出来ると期待してます。

ちなみに、今季(2015-16シーズン)のGRの試乗会ではこちらの板をそれぞれご用意しています。ぜひ乗ってたしかめて頂ければ、きっとスキーボードの楽しさがわかって頂けると思います。

直近では1月9日~10日にHakuba47スキー場で行われます「痛板オフ」でブース出展させて頂き、試乗会も行います。もし宜しければ一度試して頂ければと思います。

 

 

夏季休業のお知らせ

誠に勝手ながら以下のように夏季休業とさせていただきます。

8/27(水)~9/1(月)

 

メールなどの返信、各種サポートに関しては9/2以降となりますのでご了承ください。また、チューンナップ受付は先日告知しましたように今月中の受付となりますのでよろしくお願い致します。

中古板販売のご案内

中古スキーボードの販売を行わせて頂きます。これらの板はテストや試乗などで使用した板のうち、まだ使えるものを安価で提供させて頂こうと思います。ウォータージャンプやバグジャンプなどのサマートレーニングの板として、また痛板の素材としてお使い頂けます。

購入希望の場合は以下の注意事項をよくお読みになり、ご了承頂ける場合のみPDFファイルを参照して頂き、希望する板をメールにてご注文下さい。(先着順)


 

<お詫び>

 4/21 注文用メールアドレスについて記載が間違っておりました。「order@grskilife.net」が正しいメールアドレスとなります。訂正致しましたので併せてお詫び申し上げます

 

<板販売状況>

4/25現在

2(SnowFairy(A)) 3(SnowFairy(B))

4(ForFree(B))

7(Lovin’NEW) 6(ForFree(C))

9(ZUMA)  は販売されました。


 

<注意事項>

この中古板販売は全て板の性能、品質を保証するものではありません。製品としての保証もありません。また、GR ski lifeとしての保証もありません。

ノークレーム、ノーリターンでお願いします。

事故や怪我については全て購入者様の責任であり、こちらは一切責任を負いません。取り付けたビンディングによる事故、怪我も同様です。

中古である為傷、錆等がございます。また、板の状態はそのままお渡ししますので、ワックスの塗布などが必要な場合は別途お申し付け下さい。(別料金になります)

送料は全国一律1000円です。

お支払は振込のみとなります。またその際の振込手数料はご負担下さい。

板の販売は先着順となります。従って取り置きはできません。御問い合わせ中であっても別のオーダーが先にあった場合はオーダー優先となりますので、予めご承知下さい。

板の説明はあくまでも参考程度にお願い致します。

板によっては雪上やバグジャンプなどでの使用を強くお勧めしないものもあります。十分ご承知下さい。

以上に同意する方のみ、PDFを参照してご注文下さい。ご注文頂けた時点でこれらすべての事項には同意したものと見なします。


中古板販売リスト(PDFファイル)は <<こちら(3.7MB)>>


ご注文方法

※受け付け営業時間のご案内

メールでの受付等は祭日を除く月~木にお受けしております。木曜日16時以降、金曜日及び休祭日は明けの営業日正午以降のご連絡となりますのでご承知下さい。

1 まずはご希望商品を選び、お名前、希望商品の番号と名前、電話番号を書き添えて「中古板購入希望」の件名にてGRまでメールをお送りください。

メールアドレス order@grskilife.net

※携帯電話などからのご注文の際は、左記アドレスからのメールを受信可能にしてください。オーダー受理が完了できません

件名「中古板購入希望」

本文「(お名前) (希望商品名) (電話番号)」

2 メールが届きましたらこちらより正式なメールを返送致します。必要事項にご記入頂き、ご返信下さい

3 2のメールをこちらにて受理後、代金のお振込みをご依頼致します。

※キャンセルの場合は代金より手続き等手数料を差し引いた金額を振込にてご返金致します。ただし発送後のキャンセルは出来ませんのでご承知下さい。

4 お振込み確認後に板をご用意致します。準備出来次第で送料(全国一律1000円)にて板を発送致します。

<連絡のご注意>

こちらよりのご連絡は原則メールのみとしますが、2週間以上の連絡が頂けない場合はお預かりしました電話番号宛にSMSにて連絡後、電話にてご連絡差し上げます。

また、こちらからのご連絡後2週間以上ご連絡が頂けない場合は、勝手ながらオーダーを取消させて頂きます。ご理解ください。

<4×4固定式ビンディングの取付に関しまして>

ビンディングが用意されているモデル以外の板について、全て4×4規格において固定式のビンディングの取付が可能です。ただしその使用については使用者様自身の責任において取付、ご使用となります。事故、怪我についてはこちらでは一切責任を負いませんのでご承知下さい。なお固定式ビンディングによってはビス穴とビスの長さが一致しない場合があります。その場合は適切な長さのボルト(M6)をご用意頂いて取付を行ってください。

<解放式ビンディングにつきまして>

ご希望の方には現状で手に入るものについては在庫の確認後、17シーズンモデルについては10月を目安にご案内し、ご用意致します。ご希望の場合は一度ご相談ください。なおご購入の場合は全額前金にてお振込み頂 きます(※お取り寄せには1~2週間のお時間がかかります)。お取り寄せ後に取り付け、調整を行い、発送致します。(ビンディング同時購入の場合は、送 料、取付工賃はサービスさせて頂きます)

ただし、穴が開けられているものでビンディングを取り付けの場合、予め取付可能かを確認致します。場合によっては取付が出来ないものもありますのでご承知下さい。前もっての取付確認ができないモデルのビンディングについてはこちらでの取付はお断りさせて頂きますので、その点もご承知下さい。

2016年4月21日 | カテゴリー : dealer | 投稿者 : YasutakaKikuchi

ワックスの種類について

前回 <こちら> にてスキーとワックスについて解説しました。(まだご覧になっていない方は一度ご覧ください)

非常にわかりにくい話ですが、今回はさらに踏み込んだ解説をしたいと思います。

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前回、スキーとワックスの関係を解説しましたが、その中で「ワックスには種類がある」と言いました。その種類について解説します。ワックスの種類

(上記 A-EはAが最も優れている、Eが最も効果が期待できない。 S-HはSが柔らかい Mがふつう Hが硬いの意です)

このように種類があります。(表は一般的なワックスの参考です)

これらを使い分けるのがワックスのむずかしさであり醍醐味ですが、まず基本としてこのような関係があります。使う基準として気温や雪温が示されていますが実は単純にそれらの温度帯に合わせるだけでなく、使うシチュエーションに合わせてワックスを選ばなければ、逆にワックスが滑走性を悪くすることもあります。

たとえば人工雪のスキー場。人工雪は天然に比べて結晶が硬く、板が傷つきやすい傾向にあります。ですのでベースとしては保護性の硬いワックスが入っていないと後で残念なことになります。また、黄砂の舞う春先はこの黄砂やゴミが摩擦となって滑走性の邪魔になるので、暖かい時期ではありますが低温用のワックスが必要になります。

しかし保護性ばかり見ていると滑走性が悪くなる事もあります。これは「硬いワックスが入っていると柔らかいワックスが入りにくい」と言う特徴にもよる事で、板の撥水性が損なわれて雪が少しでも解けると滑りにくくなる板になったりもします。

したがってベースの作り方にコツが生まれてきます。ベースワックスは一般的に柔らかいものから順に硬いワックスを入れます。こうして作ったベースは滑走性も持ちつつ保護性も持たせたオールラウンドな板に仕上がります。これが面倒な場合は「オールラウンド用」の幅広いシチュエーションで使えるベースワックスを使う方法もありますが、多くはやや保護性にかけるので個人的には硬いワックスと組み合わせると良いと考えています。

こうして作り上げた滑走面は十分に浸透した皮膜層ができており、高い滑走性を維持することが出来ます。が、この皮膜層は滑るほど失われるため、適時ベースワックスを塗って維持する必要もあります。これは一見面倒ですが、一度ベースを作ってしまえば作業自体は割と簡単になります。こうして十分浸透した皮膜層を作り、維持していくことを「滑走面を育てる」と表現したりします。

ここで注意なのですが、ワックスは「それそのものは滑らない」と言う事です。

DSC06479_R 余分なワックスを削り取る各種ブラシ

スキーで滑る際に必要なのは「ワックスが浸透した滑走面」であって、その上に残るワックスは余分なものです。ですので、ワックス作業では必ずワックスをはがし取る必要があります。

この作業を「ブラッシング」と言いますが、ブラッシングの意味はもう一つあり、ストラクチャーと呼ばれる滑走面の微細な排水の為の傷のワックスをはがし取る意味もあります。

ストラクチャーは滑走面をよく見るとわかりますが、非常に微細に細かく傷がついているのがわかると思います。この傷が非常に大切で、滑る上で邪魔な「水」を効果的に排水してくれます。水はまとわりつく性質があり、滑走性に悪影響を及ぼします(表面張力、ゲレンデにできた水たまりに入った事がある人はわかると思います)。それを軽減してくれる構造が「ストラクチャー」です。ストラクチャーを失った滑走面はいくら育ててもなかなか滑走性が上がりません。(濡れた机に下敷きを置き、しっかりと押さえつけてから横に滑らそうとしてもなかなか滑りません。同じ現象が雪の上でも起こります)

かといって過度にストラクチャーを付けてしまうとそれそのものが滑走性を悪くする場合もあります。ストラクチャーは難しいので細かい説明は省きますが、安易にストラクチャーはいじれるものではありません。

話はそれましたがワックスが塗られるとこのストラクチャーはもれなく埋まってしまいます。ですのでブラッシングによってストラクチャーの中のワックスもはがし取る事でより滑走性を高めます。ワックスは必要なのにワックス自体は必要ない、少し矛盾な感じもしますね。

ですが「ワックスが浸透している滑走面が滑る」と覚えれば、理解しやすくなると思います。

なお、滑走面のワックスをすべて剥がし取るのは非常に大変です。慣れないうちはこの作業でかなり苦労すると思います。


これまで「滑走面とベースワックス」について着目して解説してましたが、次に「滑走ワックス」についてです。

滑走ワックスは滑走性を高めることを主眼としており、ベースワックスとの一番大きな違いは添加剤が加えられている事です。この添加剤は多くは「フッ素」で、他にグラファイトと呼ばれる炭素化合物や、ガリウムなどもあります。これらの添加物は水弾きに作用したり、静電気に作用したりと様々です。

ですが一番の大きな目的は「水やゴミを滑走面に近づけない」事です。それによって安定した滑走性を発揮させるのが「滑走ワックス」です。

この滑走ワックスは基本的にベースワックスの上から使います。さらに滑走ワックスは滑るシチュエーションを良く検討した上で使うのが理想です。これは単純に滑走ワックスが高額であるのと、耐久性がベースワックスより劣るからです。しっかり状況にあった滑走ワックスを使わなければその効果は発揮されず、しかも一日滑れば滑走ワックスはだいたい剥がれ落ちてしまいます。

となると「浸透させればいいじゃない?」と考えますが、滑走ワックスに含まれる添加物はそのごく表面に効果を発揮します。浸透させてしまってもそれらの添加物は何も効果はありませんし、値段もかなり高い滑走ワックスなのでわざわざ頑張って浸透させるメリットはありません。

滑走ワックスイメージ 青が滑走面 黄色がワックス 黒点が添加物

図はイメージですが、このように捉えて頂ければ想像しやすいと思います。この表面に付着した添加物により、高い滑走性を発揮するのが滑走ワックスの役割です。特にフッ素は水に対して効果が高いので春雪などの水分が多い時期に用いると一日気持ちよく滑れる事でしょう。

滑走ワックスはこのような原理がありますが、実はレジャースキーであればそこまで必要なものでもありません。タイムを争う競技スキーでは避けて通れない部分ですが、タイムよりも快感を重視するスキーの場合、一日通して滑走性が保てるという事の方が重要です。

ですので敢えて滑走ワックスを使うよりも、ベースワックスをしっかり使って良いベースを作る事の方が重要です。コスト的にも滑走ワックスは高額なので、ベースワックスの扱いに慣れてから使い始める方が良いと思います。

私もたまに使いますが、毎回使う訳ではありません。あらかじめシチュエーション的に「必要だな」と思う時以外はあまり使いませんし、後述の液体ワックスなどを活用してピンポイントで滑走性を維持する方法でスキーを楽しんでいます。パウダーや雨のスキー、初めて訪れるスキー場など滑走ワックスがその効果を発揮するのは、そういった必要である状況が見えた時に使うようにしています。

この他に液体ワックスや、それを使いやすくしたスプレーワックスがありますが、原理的には滑走ワックスに近いものと捉えてしまって構いません。ですので一時的な滑走性は良いのですが、残念ながらその効果は一日、状況では半日も持たないものもあります。スプレーワックスを使う場合でも、最低限あらかじめベースワックスが浸透している滑走面を作っておいた方がより効果は長持ちします。

また、液体ワックスなどは一時的に浸透させるためにコルクなどでこすりあげる必要があります。これが実は結構大変な作業で、アイロンを使ったワックス作業が出来ればやりたくないと思うような作業です。ちなみにコルクでこすらずそのまま使った場合、最悪たった一本滑っただけでワックスが剥がれ落ちてしまう事もあります。

と、ここまではパラフィンが主成分となるワックスについて説明しました。しかし最近では「非ワックス系」というものも存在します。有名なのはザードスのノットワックスですね。

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このタイプは滑走面の表面にフッ素などの被膜を作り滑走性を保ちます。原理的にはテフロンコートのフライパンに近いです。ですので適切に使うと驚くべき効果を発揮し、しかも効果も滑走ワックスなどよりも長く体感できます。特に春雪には非常に効果が高く、扱いも手軽です。

ですが、根本的に「保護性」を無視しているのでこれもできれば保護性の高い硬いベースワックスで滑走面を作った後に使った方が良いです。実際にワックスに添加された状態のものもありますし、ワックスとの併用も推奨されています。

正直なところ、本当に効果が高いのでワックスに不慣れな方にはおすすめできるものでもあります。私も緊急用にいつも携帯しています。

最後にクリーニングワックスですが、クリーニングワックスは極力添加物や不純物のない、扱いやすいパラフィンでできています。よってその保護性や滑走性はあまり期待できませんが、滑走面をきれいにするためには非常に有用です。

これは、クリーニングワックスを滑走面に溶かし込むと滑走面の奥からゴミやほこり、油などを浮かし出してくれるからです。ですからクリーニングワックスは浸透させる目的もないので使う場合は滑走面に溶かしたら軽く固まるのを待ち、すぐに剥がし取ってしまいます。手間はかかりますがかなり滑走面をきれいにすることが出来ます。

 

このようにワックスの種類について説明させて頂きました。私の主観によるものもありますが、概ね把握して頂ければこれからのメンテナンスに生かせる情報にはなると思います。

ワックスは始めるのが少し大変ですが、出来るようになるとゲレンデで一日気持ちよく滑れるようにもなります。実際の施工方法はまた別の機会に説明させて頂きますが、この機会に始めてみてはいかがでしょうか?